バナーやHP制作に欠かせないWEBデザインツール。
「どのツールを使うのが正解?」と悩む方は少なくないと思います。ですが、Canva、Figma、Photoshop、Illustrator……調べれば調べるほどいろんなツールが出てきて、結局何を選べば正解なのかわからなくなる人も多いはず。
どのツールを使うのが正解・不正解という決まりはないですが、あなたの目的によってどのツールを使うのが最も良いかはことなります。
ツールにはそれぞれ特徴や得意な分野があり、目的に応じて選ぶ必要があるのです。
そこで今回の記事では、WEBデザイナーによく使われる4つのツール「Canva」「Figma」「Photoshop」「Illustrator」の4つの違いを徹底比較し、いまのあなたの目的にぴったりなツールをご紹介します。
また、記事の最後には、どのツールを使うか迷っているあなたにぜひ伝えておきたい大切なことも1つご紹介しますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
(無料/有料)WEBデザインでよく使われる制作系ツール早見表
WEBデザイナーが使うべきツールとしてよく挙げられる「Canva」「Figma」「Photoshop」「Illustrator」を一覧にまとめてご紹介します。
ツール名 | 基本料金 | 主な用途 | こんな人におすすめ |
Canva | ¥0~/月額制有料プランあり | デザイン作成全般 | デザイン初心者 |
Figma | ¥0~/月額制有料プランあり | UI/UXデザイン | デザイン制作よりコーディングに興味がある人 |
Photoshop | 月額2,380円(税込)〜 | 画像編集 | 本格的なバナーやサムネイルなどのデザインを作りたい人 |
Illustrator | 月額3,280円(税込)〜 | ロゴ・イラスト・チラシ制作など | ロゴやアイコンをプロレベルで作りたい人 |
※価格・プランは執筆時点(2025年6月)のものです。最新情報は各サイトをご確認ください
Canva|まずトライしたい初心者向け

デザイン初心者でも非デザイナーでも、それなりに上手なデザインが簡単に作れるツールとして支持を集めているのが、「Canva(キャンバ)」です。
基本操作が基本無料で利用できるだけでなく、難しい操作や専門知識がなくても、誰でも直感的におしゃれなデザインを作れます。
特に、SNS投稿画像やバナー、チラシ、プレゼン資料、ロゴ、名刺まで、テンプレートが用意されているので初心者デザイナーさんにぴったりです。
Canvaの主な特徴
Canvaの主な特徴を表形式でご紹介します。
機能・用途 | 内容 |
豊富なテンプレート | SNS投稿・プレゼン資料・チラシ・ロゴなどジャンルごとに用意されています。 |
直感的な操作 | ドラッグ&ドロップで編集、Photoshopのような専門スキルは不要です。 |
写真加工も可能 | 背景削除や明るさの変更も可能です。 |
無料で使える素材 | 写真・イラスト・図形・フォント・アイコンなどもテンプレ付きで簡単に使えます。 |
チーム共有・共同編集 | Googleドキュメントのような感覚で他の人とリアルタイムで共同編集できます。 |
アニメーション・動画編集 | GIFや動画の簡単な編集・書き出しも可能です。(SNS動画にも使えます◎) |
スマホでも使える | 専用アプリでスマホでも編集可、外出先からも作業できます。 |
CanvaAIも使用可能 | 画像生成や高画質化、文章作成なども基本無料で使用可能です。 |
Canvaが向いている人
- デザインを始めたばかりの初心者
- SNSやブログ用におしゃれな画像を作りたい人
- 自社製品のデザインを早く安く仕上げたい人
- とりあえず、デザインをやってみたい人
- 時間をかけずに、テンプレベースで効率的に作りたい人
- チームで簡単にデザイン共有したい人
Canvaの料金プラン
Canvaの料金プランは以下の通りです。
(価格は2025年6月時点での情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。)
料金(月額) | 特徴 |
¥0 | 基本的なテンプレ・素材が使える |
¥1,500~ | 有料テンプレ・商用素材・背景削除などが使い放題 |
※Proプランは無料トライアルあり。まずは無料で試してみるのがおすすめです!
Canvaのデメリット・注意点
- 素材やテンプレートで良いものは有料なものが多い
- 文字詰めやレイヤー調整、写真の細かい編集など、Photoshopと比べるとできないことが多い
- 副業やフリーランスでやる場合、Canvaは低単価な案件が多い
- バナーやHP制作はPhotoshop(psdデータ)を指定されることが多い
- psdデータのような操作データはない(編集リンクの共有が必要)
Canvaは「デザイン=難しい」という常識をくつがえしてくれる、初心者の味方とも言える存在です。まずは触ってみて、思った以上に「簡単&楽しい」感覚をぜひ体験してみてください。
例えば、結婚式の招待状などのデザインを自分でやってみたい方やSNS運用でデザインが必要という方にもぴったりな、”一歩目”としておすすめのツールです。
Figma|UI,UXデザイン向けツール

「UX,UIデザインといえばFigma」というほど多くの方に使われているのがFigma(フィグマ)です。特にWEBサイトやアプリの設計・デザインに強く、操作も直感的で簡単です。
クラウド上で動くため、アプリ等のインストールは必要なく、ブラウザだけで使えるのも大きな魅力。また、複数人での同時操作も可能なので、クライアントからのフィードバックなどもリアルタイムで受けられて便利です。
Figmaの主な特徴
Figmaの主な特徴を表形式でご紹介します。
機能・用途 | 内容 |
UI/UXデザイン制作 | サイト・アプリの画面設計やワイヤーフレーム、デザインを高精度で作成できます。 |
プロトタイプ作成 | 実際にクリックして動くような「操作感」を確認できるモックアップが作れます。 |
リアルタイム共同編集 | Googleドキュメントのように複数人で同時編集、コメント機能でフィードバックも楽々できます。 |
プラグイン連携 | 図形・カラー・アイコン・翻訳など、多彩なプラグインで機能拡張が可能です。 |
クラウド保存・管理 | ファイルがすべてオンラインで管理され、どこからでもアクセス可能です。 |
コンポーネント管理 | デザインパーツを再利用できる「コンポーネント設計」で効率アップできます。 |
Figmaが向いている人
- デザイン制作よりコーディング等に興味がある人
- Webやアプリのデザインを本格的に学びたい人
- チームで共同制作を考えている人
- クライアントやエンジニアとスムーズに連携したい人
- SketchやXDから乗り換えたい人
Figmaの料金プラン
Figmaの料金プランは以下の通りです。
(価格は2025年6月時点での情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。)
料金(月額) | 特徴 |
¥0 | フリープラン |
¥2,400~ | プロフェッショナルプラン |
¥8,300~ | ビジネスプラン |
¥13,600~ | エンタープライズプラン |
細かいプランの違いは、公式サイトをご確認ください。
Figmaのデメリット・注意点
- Canvaのようなテンプレートはあまりない
- 高機能ゆえに、慣れるまでは操作に少し戸惑う人もいる
- IllustratorやPhotoshopのような画像加工は不向き
- インターネット接続が必須(※オフライン編集は限定的)
Figmaは、UI/UXデザインを本格的にやっていきたい人にとってはマストなツールです。クラウドで動き、チーム作業やプロトタイピングまで一気通貫できるFigmaは、まさに「Web時代の新しい制作現場」を支える存在。無料から使えるので、まずは一度触ってみるのがおすすめです!
※Figmaで作れるUI(ユーザーインターフェース)は「見た目・操作性」、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインは「使って得られる体験や満足感」のこと。FigmaはこのUI/UXデザインを専門に行うツールで、Webサイトやアプリの設計段階から細かく設計できます。Canvaは、SNS投稿や資料などを「見せるデザイン」を作るのに対し、Figmaでは「使うデザイン」を作るイメージです。
Photoshop|バナーやHP制作のプロツール

「デザイン制作はPhotoshopしか使わない」という人も多いほど、プロに愛されているど定番のツールです。
機能はCanvaと比べても圧倒的に豊富で、写真の補正・合成・レタッチがメインだと思われがちですが、バナー制作、WEBデザインの制作(コーディングを除く)まで活用できます。
それだけ多くのプロに愛されている理由は、FigmaやCanvaと違い、ピクセル単位での細かな編集ができる点です。
Photoshopの主な特徴
Photoshopの主な特徴を表形式でご紹介します。
機能・用途 | 内容 |
写真補正・レタッチ | 明るさ調整・色味変更・肌補正・シワ消しなど、写真を美しく整える加工が可能です。 |
合成・コラージュ | 複数画像を合成し、幻想的・芸術的なビジュアルを作ることができます。 |
バナー・広告制作 | ピクセル単位でデザインを調整できるため、Web広告の制作にも最適です。 |
レイヤー構造で編集 | オブジェクトを重ねて編集できるレイヤー構造が直感的かつ高機能です。 |
フォント・図形・パターン | デザイン素材を自在に配置し、カスタマイズが自由自在です。 |
スマートオブジェクト | 解像度を保ったまま拡大縮小や変形が可能で、プロ品質の制作に必須です。 |
Photoshopが向いている人
- 写真やバナーなどのビジュアル重視のデザインを作りたい人
- ピクセル単位で細かく調整したい人
- フォトレタッチ・合成など画像加工をしたい人
- 本格的にWEBデザインで稼いでいきたい人
Photoshopの料金プラン
Photoshopの料金プランは以下の通りです。
(価格は2025年6月時点での情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。)
プラン名 | 料金(月額) | 主な違い |
フォトプラン | ¥2,380 | Photoshop+Lightroomが使えます |
単体プラン | ¥2,890〜 | Photoshopのみ(単独での契約) |
コンプリートプラン | ¥7,240〜 | Illustratorを含め、全AdobeCCソフトとサービスが利用可能。 |
※すべてAdobe Creative Cloud経由で提供。7日間の無料体験あり。
その他、割引の裏技はこちらをご確認ください。
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Photoshopのデメリット・注意点
- 無料では使えない(7日間の無料体験のみ)
- FigmaのようなUI設計やプロトタイプ機能はない
- 動作が重く、低スペックのPCでは処理が遅くなったり落ちることもある
- 操作が難しく、調べながら慣れていく必要がある
- デザイン制作は基本Photoshopで完結するが、aiデータにはIllustratorが必要
- CanvaやFigmaと比べてもファイルのデータサイズが大きい
Illustrator|ロゴやグラフィックデザインのプロツール

Illustrator(イラストレーター)は、主に「ベクターグラフィック(=ロゴのような線と図形で作られたデザイン)」が操作できるデザインツールです。
ロゴやアイコン、イラスト、地図、インフォグラフィックなどのデザインの他、拡大縮小しても劣化しないため印刷物にも強く、グラフィックデザイナーも多く使用しています。
Illustratorの主な特徴
Illustratorの主な特徴を表形式でご紹介します。
機能・用途 | 内容 |
ロゴ・アイコン制作 | 線・図形を組み合わせて、拡大縮小に強いロゴやアイコンが作れます。 |
イラスト作成 | キャラクターや地図、インフォグラフィックなども描けます。 |
印刷物のデザイン | 名刺、ポスター、チラシ、パッケージなど、印刷を想定した高解像度データが作れます。 |
パス・アンカーポイント編集 | 線の形状やカーブを細かく調整可能。思い通りの“かたち”を作れます。 |
ベクター形式で書き出し | SVGやPDFなど、軽くて高品質なファイル形式に対応できます。 |
Illustratorが向いている人
- ロゴやアイコンをプロレベルで作りたい人
- 細部までこだわった図形ベースのデザインをしたい人
- 名刺やチラシなど印刷物をしっかり作りたい人
- イラストやインフォグラフィックを描くのが好きな人
Illustratorの料金プラン
Illustratorの料金プランは以下の通りです。
(価格は2025年6月時点での情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。)
プラン名 | 料金(月額) | 主な違い |
単体プラン | ¥2,728〜 | Illustratorのみを利用可能 |
コンプリートプラン | ¥6,480〜 | Photoshopを含め、全AdobeCCソフトとサービスが利用可能。 |
※Adobe Creative Cloud経由で提供。7日間の無料体験あり。
その他、割引の裏技はこちらをご確認ください。
【削除覚悟】9割が損してる!Adobe契約の7万がタダになる方法を見つけてしまった…| 未経験からWEBデザイナーへ
Illustratorのデメリット・注意点
- 無料では使えない(7日間の無料体験のみ)
- 写真加工は不向き(その場合はPhotoshopを使用するのが一般的)
- FigmaのようなUIデザインやプロトタイプ機能はない
- Photoshop同様、操作が難しく慣れるまでは時間がかかる
- 複数人での同時操作は不可
大事なのは「どんな作品が作れるか」
筆者はWEBデザインスクールの運営として、何人ものプロのWEBデザイナーと一緒にお仕事をしてきましたが、「絶対にこのツールしか使わない(使えない)」という人はほとんど見た事がありません。
- 広告バナーやサムネイル・LPなどのデザインはPhotoshop
- プレゼンスライドやSNSに載せる図解はCanvaで作る
- コーダーさんとの細かいやりとりが発生する案件はFigma
上記はあくまで一例ですが、場面場面によってツールをデザイナーさんも少なくないです。
なので、この記事であなたに伝えたいのはどのツールを使うべきかは大切ではないという事です。最終的にWEBデザイナーとして活動していきたいならば、基本的に全てのツールが必要です。
大事なのは、どんなクオリティの作品が作れるかということ。
Photoshopが使えても、素人感満載のデザインを作っているなら仕事はもらえません。
反対に、ツールがCanvaでも上手な作品なら喜ばれます。
目安として、こんな作品が見れるようになると良いです。

日本デザインスクールでは、独自に作り出したバナーのランク判定基準を出しています。上の画像のような「NGレベル」が素人レベル。「OKレベル」がクライアントさんから喜ばれるプロレベルです。
まずはCanvaでもFigmaでもPhotoshopでも、ツールはなんでもかまいません。
「OKレベル」のデザインが作れるように勉強してみてくださいね!
「何から学んだからデザインが上達するのかわからない」
「まずは良いバナーを見極める目を鍛えたい!」
こんな風に考えている方は、日本デザインスクールのYouTubeチャンネルがおすすめです!
ぜひご覧ください。
まとめ
WEBデザインでよく使われるツールをご紹介しました。
特によく使われているのは「Canva」「Figma」「Photoshop」「Illustrator」の4つ。
主な特徴を最後に一度振り返ります。
Canva | 無料プランあり。誰でも直感的に使えるデザインツールで、テンプレートが豊富。 |
Figma | 無料プランあり。WEB上で複数人が同時編集できるUI/UXデザインツール。アプリやWebサイトの設計に強く、共同作業に最適。 |
Photoshop | 画像加工やバナー等のデザイン制作に向いているプロのWEBデザイナー向けツール。Canvaと比べて細かい編集が可能。 |
Illustrator | ロゴやイラスト、図形などの制作に強いベクターデザインツール。印刷物やアイコン作成によく使われる。 |
最後に、「結局のところ、まずはどのツール使えばいいの?」と迷っている方へ。
おすすめはPhotoshopです。
Photoshopが使えるようになれば、他のツールは応用でほとんど使えるので、デザイナーとしてしっかり稼いでいきたいのであればPhotoshopから始めるのがおすすめです。
むしろ、CanvaやFigmaではできない操作が多いので、Photoshop以外のツールから始めてしまうと、あとからPhotoshopに慣れるのが大変です。
ロゴ制作やイラスト制作に興味がある場合はIllustratorでOKですが、案件の数は多くなく稼ぎにくいジャンルなので、WEBデザインで稼いでいきたい方はPhotoshopから始めましょう。
ただし、こういう方はCanvaから始めてもOKです。
- まずは自分に向いているか試してみたい
- 以前Photoshopの操作でつまずいてしまった
- 自分のSNS投稿などを自分で作りたい
(WEBデザイナーとして稼ぎたいわけではない)
また、の操作がよくわからない」「Photoshopでどうやったらバナーが作れるのか知りたい」という方に向けて、ゼロイチ体験入学を開催しています。
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