WEBデザイナーにおすすめの資格はある?そう悩んでいませんか?
今回は、これからWEBデザインを学ぶ方に向けて、WEBデザイナーに関する資格を8つご紹介します。
累計2,000名以上のWEBデザイナーを育ててきた経験から、資格の種類や難易度、資格の必要の有無など徹底比較をしました。
これからデザインを始める人であれば、資格取得は優先度は低いですが、資格取得に向けて勉強するメリットや、資格取得に向いている人もいます。
今回ご紹介する内容で、今の時点で資格取得する必要があるのか、まずどの勉強が必要なのかわかるので、ぜひ参考にしてください。
目次
【全8種】WEBデザイナーに関連する資格を徹底比較
まずはWEBデザイナーに関する資格を8個ご紹介します。
WEBデザイナーに関する資格はその分野に関して知識や技能の概要を学べる網羅性のあるものか特定のツールやスキルに絞った専門的なものかという網羅性の有無と、WEBデザインでフリーランスになるのに当たって重要度が高いか低いかの2軸で考えています。
それを図にすると下記の通りになります。
また、WEBデザインとの関連度をまとめると次のグラフのようになります。
中心にあるものほどWEBデザインに関連度が高いことを示しています。
上記で挙げた資格をそれぞれ説明すると以下のようになります。
- Webデザイン技能検定:Webサイト制作に必要とされる、Webデザインの知識・技能、実務能力を測る
- Webデザイナー検定:Webデザインに関する知識やスキルを測る
- Photoshop®クリエイター能力試験:画像編集やコンテンツ制作の能力を測る
- Illustrator®クリエイター能力認定試験:デザインやコンテンツ制作能力を測る
- アドビ認定プロフェッショナル:Adobe製品の使用スキルを証明する
- Webクリエイター能力認定試験:デザイン能力やコーディング能力を測る
- HTML5プロフェッショナル認定資格:レベル1はHTML5の基礎知識、レベル2は先端のアプリケーションや動的WEBコンテンツの開発・設計のスキルを測る
- 色彩検定:色彩に関する知識と技能を測る
各資格の詳細を重要度ごとに分けると表の通りになります。
▼重要度高の資格
資格の内容 | Webサイト制作に必要とされる、Webデザインの知識・技能、実務能力を測る | Webデザインに関する知識やスキルを測る |
運営母体 | 中央職業能力開発協会(JAVADA) | 公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS) |
費用 | 10,000~32,000円 | 6,600〜8.800円 |
開催日程 | 3〜4ヶ月に1回(次回は8月25日) | 2〜3ヶ月に1回(次回8月25日) |
試験会場 | 学科: 東京、大阪、福岡 実技: 東京、大阪 | 20都道府県 |
勉強時間 | 50~300時間 | 50~200時間 |
取得の難易度 | 低 | 低 |
試験時間 | 105~270分 | 60~90分 |
実技試験 | ◯ | ◯ |
学科試験 | ◯ | ◯ |
合格基準 | 実技と学科で100点満点中それぞれ60点以上 | 50~70% |
合格率 | 30~60% | × |
国家資格 | ◯ | なし |
受験条件 | 1級と2級は実務経験が必要 | ベーシックとエキスパートがある |
その他 | 1級〜3級がある |
▼重要度中の資格
資格の内容 | 画像編集やコンテンツ制作の能力を測る | デザインやコンテンツ制作能力を測る | Adobe製品の使用スキルを証明する |
運営母体 | 株式会社 サーティファイ | 株式会社 サーティファイ | 株式会社 オデッセイ コミュニケーションズ |
費用 | 7,600〜8,600円 | 7,600〜8,600円 | 約10,000~15,000円 |
開催日程 | 年間1-3回(次回は7月21日) | 年間1-3回(次回は7月7日) | 随時(月20回程度、会場による) |
試験会場 | 全国主要都市 リモート受験も可能 | 全国主要都市 リモート受験も可能 | 全国 |
勉強時間 | 50~200時間 | 50~200時間 | 50~200時間 |
取得の難易度 | 低〜中 | 低〜中 | 低〜中 |
試験時間 | 130~140分 | 130~140分 | 50~70分 |
実技試験 | ◯ | ◯ | ◯ |
学科試験 | ◯ | ◯ | × |
合格基準 | スタンダードは72% | 50〜70% | 非公開 |
合格率 | × | × | × |
国家資格 | なし | なし | なし |
受験条件 | スタンダードとエキスパートがある | スタンダードとエキスパートがある | 初級から上級まで複数難易度がある |
その他 |
▼重要度低の資格
資格の内容 | デザイン能力やコーディング能力を測る | レベル1はHTML5の基礎知識、レベル2は先端のアプリケーションや動的WEBコンテンツの開発・設計のスキルを測る | 色彩に関する知識と技能を測る |
運営母体 | 株式会社サーティファイ | 特定非営利活動法人エルピーアイジャパン | 公益社団法人 色彩検定協会 |
費用 | 5,900~7,500円 | 15,000円 | 7,000~29,000円 |
開催日程 | 年間1-3回(次回は7月21日) | 随時受付 | 2・3級は6月と11月 1級は冬に1回のみ |
試験会場 | 全国主要都市 リモート受験も可能 | 全国 | 全国 |
勉強時間 | 50~200時間 | 50~200時間 | 50~300時間 |
取得の難易度 | 低 | 中〜高 | 低〜中 |
試験時間 | 130~140分 | 90分 | 70分〜 |
実技試験 | ◯ | × | ◯ |
学科試験 | ◯ | ◯ | ◯ |
合格率 | 65%以上正答 | 100点満点中70点 | 1級20%~ 3級70% |
国家資格 | 50~70% | 50~70% | × |
受験条件 | 2級合格者のみ1級受験可能 | ||
その他 | なし | なし | 1~3級まである |
WEBデザイン初心者は資格取得は優先度は低い
ここまでWEBデザイナーに関する資格をご紹介してきましたが、WEBデザインを始めたての方に資格取得はオススメしません。
正確にお伝えすると、資格を取得すること自体は無意味ではないですが、初心者は資格よりもデザインスキルの習得をオススメしています。
この章では資格取得よりもデザインスキルの習得をオススメする理由を解説していきます。
クライアントが重視するのは作品の質
資格取得をオススメしない一番の理由は、クライアントがWEBデザイナーに求めるものがクオリティの高い作品だからです。
そして、クオリティの高い作品を作れることと資格の有無は関係ありません。
弊社でもWEBデザイナーの求人をしたことがありますが、資格を持っていても実務レベルに達していなかったり、求めているクオリティの作品を作れなかったりという人がほとんどでした。
他の現役WEBデザイナーからもこのような声もあります。
資格は当てにならないなっていうのが、面接官のリアルな思いです。役に立たないかなと思います。ちなみに、フリーランスのWEBデザイナーを目指しているなら、もう本当にいらないです。
ウェブデザイン技能検定、正直実務では持ってても意味ないんですがどんなものかなって思って受けてみました。で、今日回答発表されたわけですが学科は合格ぽい。
出典:X(Twitter)
弊社が運営する日本デザインスクールでは資格取得のための勉強はしていませんが、45日でデザインスキルを身につけて案件を受注している方はたくさんいますし、中には受講中に案件を獲得する方もいます。
その方々も資格取得していませんし、何よりスクール代表の久保は2,600名以上今まで指導してきましたが、久保自身も資格は持っていません。
つまり、資格を取得してもデザインができるわけではなく、資格を取得しなくてもデザインを学べば作品を作れて案件も取れるのです。
資格が不要な理由を解説した動画があるので見てみてください。
コストパフォーマンスが悪い
資格取得はかけた金額の割に現場では活かしにくいため、オススメできません。さらに、時間をかけるほどスキルも身につかないため、これからデザインを始める人がいきなり勉強する必要はありません。
先ほどからお伝えしているように資格を取得しても作品が作れるわけではなく、収入を得るにはそこからさらにデザインスキル習得のための時間やお金が必要です。
これからデザインを始めるのであれば、できるだけ早く確実にスキルを身につけて案件をとりたい方がほとんどだと思います。
それならまずはデザインスキル習得に時間とお金をかけた方が、より短期間でコスパ良く得たい結果を得られます。
資格取得に向いている人
ここまでWEBデザイナー初心者に資格取得はオススメしないとお伝えしてきました。
スクールの卒業生にも、デザインスキルを身につけて実務案件にどんどん挑戦してスキルアップしていくのをオススメしています。
実際、実務案件に挑戦している人ほど成長も早く収入アップしていますが、持っていると有利に働くケースもあるため、最後に資格取得に向いている人の特徴をご紹介します。
志望企業で資格取得の意味がある人
基本的にはデザインスキルとスキルレベルを証明するポートフォリオがあれば十分採用されるのですが、最後のプッシュとして資格を取得しておくのはアリです。
ポートフォリオを持って選考を受けるデザイナー自体が少ないですが、同じスキルレベルWEBデザイナーがいたとしたら、資格を持っているデザイナーの方がよりデザイナーとして評価されやすくはなるので余裕があれば取得を目指しましょう。
趣味としてデザインの勉強をしてみたい人
資格取得が趣味の方や、趣味に活かすためにデザインを勉強してみたい人はオススメです。
先ほどもお伝えしましたが、資格取得の勉強のメリットは締切や合格点などの基準があること。これまで10,000人以上の方とセミナーなどで話していて感じたのは、独学でデザインを勉強していて挫折する人の理由で多いのは、モチベーションが維持できないことです。
セミナー参加者からはこのような声をよく聞きます。今回はその一部をご紹介します。
本を購入し、自分自身でWebデザインをやってみたのですが、思い通りのデザインにすることができず、本当にこのままで独学でいいのかどうかということについて、実際にWebデザインを仕事にされている方のお話を聞いて判断したいと思ったからです。
デザインの参考書をひたすらやるよりも、試験日やゴールが決まっている資格取得の方がやる気も続きますし、ゴールから逆算して勉強できるので挫折しにくいメリットがあります。
デザインは正解がなくお金という形で結果になるのに時間がかかる人もいますが、資格取得であれば一定の期間勉強すれば「合格」という形の結果が見えるため、短期的なゴールがモチベーションになる場合はオススメです。
まとめ
今回はWEBデザイナーに関連する資格をご紹介しました。
途中でお伝えしたように、WEBデザイン初心者に資格取得はオススメしません。
WEBデザイナーとして最短でスキルを身につけて、案件受注するポイントは現場で必要なスキルに絞って勉強すること、実績を増やしていくことです。
ですが、すでにデザインを学んでいて資格が欲しい人や、まずは趣味としてデザインに触れてみたい人にはオススメなので、今回紹介したものの中から興味のあるものに触れてみてください。