「WEB制作って具体的にどんな仕事をするんだろう」
「職種によって役割が分かれてるのかな」
「結局、誰がどの工程で何をするの?」
こんな疑問を抱えていませんか?
今回は、未経験からWEB業界への転職を検討している方に向けて、WEB制作の全体像とともに、各工程の役割と職種を整理して解説していきます。
読み終える頃には、WEB制作のどの役割があなたに向いているのか見えてくるはず。
転職に向けた準備に入る前に、「どこを目指すか」目星を付けるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
<この記事でわかること>
- 図解でわかる「WEB制作の全体像(工程×役割)」
- 各工程の役割分担と業務内容
- 混同しがちな職種の違い
- 役割分担とキャリアアップの全体像
- WEB制作のキャリアスタートに適した職種
目次
図解【WEB制作の全体像】工程×役割
まずWEB制作の全体像をつかみましょう。
制作の流れと、誰がどのような役割を担っているのかを図で表してみました。
ここではWEB制作を大きく6つの工程に分けています。
<WEB制作の流れ>
- 企画・設計
- デザイン
- フロント実装
- バック実装
- テスト・公開
- 運用・保守
各工程を担当する職種と役割を見ていきましょう。
【図解|WEB制作の工程×役割】
- 青:設計・企画フェーズ/●黄:制作・構築フェーズ/●赤:運用フェーズ
工程×業務内容、職種×スキルを把握し、自分はどの部分が向いているかイメージしてみましょう。
役割分担|WEB制作各工程の内容と担当者
では具体的に、企画から運用までの流れを追いながら、「誰が」「どんな仕事を」「どんな目的で」おこなうのかを順に見ていきます。
- 【企画・設計】WEBディレクター/WEBプロデューサー
- 【デザイン】WEBデザイナー
- 【フロント実装】コーダー/フロントエンドエンジニア
- 【バック実装】バックエンドエンジニア
- 【テスト・公開】インフラエンジニア/テストエンジニア
- 【運用・保守】運用保守エンジニア/WEBディレクター
1.【企画・設計】WEBディレクター/WEBプロデューサー
WEB制作の最初のステップが「企画・設計」です。
ここではサイトの目的やターゲットを明確にし、どんな構成にするかを決めていきます。
たとえば、企業の新商品サイトを作る場合なら、「どんな情報を載せるのか、どの順番で見せるのか、ユーザーにどう行動してほしいか(購入・問い合わせなど)」を整理します。
この工程を主に担当するのが WEBディレクター。
ディレクターは「現場のまとめ役」となり、制作チームが迷わず動けるように全体を設計します。
プロジェクトが大規模な場合や、ビジネス戦略が関わる場合は、より上位の立場で全体を統括する WEBプロデューサーが入ることもあります。
<主な成果物>
- 企画書、要件定義書、KPI設定案
- サイトマップ、ワイヤーフレーム(ページ構成図)
<向いている人>
- 人と話すのが得意で、チームをまとめるのが好きな人
- 物事を整理して考えるのが得意な人
- 「どうすればもっと良くなるか」を考えるのが好きな人
2.【デザイン】WEBデザイナー
「企画・設計」で決めた内容を、実際の「見た目」に落とし込む工程です。
レイアウト、色、フォント、写真などを組み合わせ、ユーザーにとって見やすく、心地よいデザインを作ります。
たとえば、コーポレートサイトなら「信頼感」、アパレルサイトなら「世界観」を感じさせるデザインといったように、見た目の美しさだけでなく「目的を達成するためのデザイン」にするのがWEBデザイナーの役割です。
<主な成果物>
- デザインカンプ(完成イメージ)
- バナー、ボタン、画像素材
<必要スキル>
- Photoshop、Illustrator、Figmaなどのデザインツール
- 配色やタイポグラフィなどのデザイン基礎
- WEBトレンドやユーザー心理の理解
<向いている人>
- デザインに関心が高くモノづくりが好きな人
- 細かい作業に集中できる人
- 見る人の気持ちを想像して工夫するのが得意な人
3.【フロント実装】コーダー/フロントエンドエンジニア
デザイナーが作ったデザインを、実際にブラウザで見られる形にする工程です。
HTML・CSSでページの骨組みを作り、JavaScriptで動きを加えます。
この工程を担当するのが「コーダー」や「フロントエンドエンジニア」です。
「デザインを形にする」だけでなく、スマホやパソコンなどさまざまな端末で正しく表示されるよう調整するのも大切な仕事です。
<主な成果物>
- コーディング済みページ(HTML/CSS/JavaScript)
- レスポンシブ対応データ
<必要スキル>
- HTML/CSS/JavaScript
- レスポンシブデザインの理解
- Gitなどのバージョン管理ツール
<向いている人>
- ロジカルに物事を考えるのが得意な人
- 細部までこだわるのが好きな人
- デザインとプログラムの橋渡しにやりがいを感じる人
4.【バック実装】バックエンドエンジニア
ユーザーが見えない部分、つまり「サーバー側」をつくるのがバックエンドエンジニアの仕事です。
たとえば、ログイン機能・お問い合わせフォーム・商品データ管理など、データのやり取りや処理を担います。
「サイトが動く仕組み」を裏で支える重要な役割です。
<主な成果物>
- データベース連携システム
- 管理画面・ユーザー機能の実装
<必要スキル>
- PHP、Python、Ruby、JavaScriptなどのプログラミング言語
- サーバー構築やデータベース管理(MySQLなど)
- セキュリティや通信に関する基礎知識
<向いている人>
- 仕組みを考えるのが好きな人
- 論理的に物事を組み立てるのが得意な人
- 表よりも裏方で支えることにやりがいを感じる人
5.【テスト・公開】インフラエンジニア/テストエンジニア
サイトが正しく動くか確認し、問題がなければ公開する工程です。
この段階では、ディレクターや開発担当者が連携して「最終チェック」をおこないます。
リンク切れ、ボタンの誤作動、スマホ表示の崩れなどを確認し、修正が必要な部分を洗い出します。
テストを担当するのは「テストエンジニア」や「デバッガー」などの専門職です。
テストが完了したら、エンジニアがサーバーにデータをアップし、正式にサイトを公開します。
<主な成果物>
- テスト結果レポート
- 公開済みサイト(本番環境)
<必要スキル>
- HTML/CSS/JavaScript、PHPなどの動作理解
- テスト設計、デバッグ
- ドメイン・SSL設定、サイトマップ送信などの知識
<向いている人>
- 細部まで注意を払える人
- 問題点を見つけるのが得意な人
- コツコツ作業するのが苦にならない人
6.【運用・保守】運用保守エンジニア/WEBディレクター
サイトを公開したあとは、アクセス数を分析したり、更新や修正を行ったりしながら、サイトを「育てていく」段階になります。
日々の更新や改善を担当するのがWEBディレクター、システムの安定稼働や障害対応を担うのが運用保守エンジニアです。
トラブルを防ぎながら、より使いやすいサイトに改善していくことが目的です。
<主な業務>
- アクセス解析・SEO対策・改善提案(ディレクター)
- サイト更新・バックアップ管理(エンジニア)
- 障害対応・セキュリティ監視(エンジニア)
<必要スキル>
- Google Analyticsなどの分析ツール(ディレクター)
- サーバーやネットワークの知識(ディレクター/エンジニア)
- 障害時のトラブルシューティング能力(エンジニア)
<向いている人>
- 柔軟性と適応力がある人
- 問題解決にやりがいを感じる人
- 改善や工夫を重ねて成果を出すのが楽しい人
役割の違い|混同しがちな2つの職種
工程別に職種を紹介してきましたが、時に担当範囲が重なるために混同されがちな職種があります。
現場の規模や体制によっても分担の仕方は変わるため、ここでは「一般的な違い」をわかりやすく整理していきます。
- WEBプロデューサー vs WEBディレクター
- WEBデザイナー vs コーダー
- フロントエンドエンジニア vs バックエンドエンジニア
WEBプロデューサー vs WEBディレクター
違いを簡潔に言うと、WEBプロデューサーはビジネスの責任者、 WEBディレクターは制作現場のまとめ役です。
プロデューサーは、クライアントとやり取りをしながら、サイトの目的・予算・スケジュール・チーム体制を決めます。いわば「プロジェクト全体の司令塔」です。
一方、ディレクターはその方針に沿って、実際に制作現場を円滑に進める立場。
要件定義書やワイヤーフレームをまとめ、デザイナーやエンジニアに指示を出し、納期・品質・進行管理など、「現場の舵取り」を担う存在です。
プロデューサーが「方向を決める人」、ディレクターが「チームを動かす人」というイメージを持つとわかりやすいでしょう。
<主な違い>
役割 | WEBプロデューサー | WEBディレクター |
主な立場 | ビジネス責任者 | 制作現場のリーダー |
主な業務 | 企画立案、予算管理、チーム編成、営業 | 要件整理、スケジュール管理、進行・品質管理 |
ゴール | 成果・売上の最大化 | 制作物のクオリティと納期の両立 |
どちらもコミュニケーション力が重要ですが、 プロデューサーは「経営視点」、ディレクターは「現場視点」でプロジェクトを動かします。
WEBデザイナー vs コーダー
WEBデザイナーは「見た目を作る人」、 コーダー(マークアップエンジニア)は「見た目を形にする人」です。
WEBデザイナーがPhotoshopなどのソフトを使ってページのデザインを作成し、そのデザインをブラウザ上に反映させるのがコーダーの仕事です。
小規模の制作会社や個人案件では、デザインとコーディングを同じ人が担当することもあります。
しかし、分業化が進む制作現場では、それぞれの専門性を分けてチームで進めるのが一般的です。
<主な違い>
役割 | WEBデザイナー | コーダー |
主な立場 | 見た目を作る | デザインを形にする |
主な業務 | レイアウト設計、配色、フォント、ビジュアル制作 | HTML/CSSコーディング、ブラウザ確認、レスポンシブ対応 |
使用ツール | Photoshop、Illustrator、Figma など | VSCode、Git、Chrome DevTools など |
どちらも「ユーザーにとって見やすいサイトを作る」というゴールは同じ。
違いは、「表現するか」「実装するか」のアプローチです。
フロントエンドエンジニア vs バックエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは「見える部分」、バックエンドエンジニアは「見えない部分」を作る人です。
フロントエンドは、ユーザーが実際に操作する画面を担当します。
ボタンを押したときの動きや、ページの切り替え、アニメーションなど体験に関わる部分を実装します。
一方、バックエンドはデータのやり取りや処理を担います。
たとえば、ログイン機能、検索結果の表示、注文データの保存など。
ユーザーの裏側で正確に動作する仕組みを作るのが仕事です。
この2つを両方扱えるエンジニアは「フルスタックエンジニア」と呼ばれます。
<主な違い>
役割 | フロントエンドエンジニア | バックエンドエンジニア |
主な業務 | 画面表示、動作、UI/UX設計 | データ処理、サーバー開発 |
使用言語 | HTML/CSS/JavaScript/Reactなど | PHP/Python/Ruby/Java/SQLなど |
重視されること | 見た目と操作性 | 処理の正確さと安定性 |
双方の役割に理解があるとチーム連携がスムーズになります。
「どちらに興味があるか」で、今後のキャリアの方向性も見えてきます。
図解|WEB制作の役割分担とキャリアアップの全体像
ここでは、これまで紹介してきた「工程×職種」をもとに、キャリアアップの全体像を整理していきます。
下の図はWEB制作に関わる主な職種と、それぞれのキャリアのつながりをまとめたものです。

デザインやコーディングなどの「下流工程(制作フェーズ)」からスタートし、経験を重ねていくことで「上流工程(企画・設計フェーズ)」へとステップアップしていくのが一般的です。
また、目指す方向性によってキャリアの進め方も変わります。
- デザイン方面に進みたい人:
WEBデザイナー → UI/UXデザイナー → アートディレクターへと専門性を深めていく道 - 開発(エンジニア)方面に進みたい人:
コーダー → WEBエンジニア(フロントエンド/バックエンド) → フルスタックエンジニア → テクニカルディレクターへと発展していく道 - マネジメント・ディレクション方面に進みたい人:
WEBディレクター → WEBプロデューサー、またはマーケティング領域(WEBプランナー・WEBコンサルタントなど)へ進む道
上流工程を目指すケースばかりではありません。
専門スキルを磨いて特定分野のエキスパートを目指す人もいます。
このようにキャリアの道筋が一本ではなく、得意分野を生かして自由に分岐していけるのが面白いところ。
職種が多く存在するため、一見複雑に見えるWEB制作ですが、ひとつひとつの工程はつながっており、どの職種からもキャリアを広げることが可能です。
WEBデザイナーからキャリアをスタートするのがおすすめな理由
未経験からWEB制作を仕事にするなら、まずはWEBデザイナーからスタートするのがおすすめです。
理由は大きく分けて3つあります。
- 短期間でスキルを身に付けやすい
- 実績を作りやすく、仕事につながりやすい
- キャリアの幅を広げやすい
短期間でスキルを身につけやすい
WEBデザインはスクールをうまく活用すれば数ヶ月で基礎を習得できる分野です。
商業用のデザイン理論とPhotoshopなどのツール操作を学べば、すぐに実践的な制作ができるようになります。
さらに、学んだ成果がすぐ「形」になるのも大きな特徴です。
学習の成果をポートフォリオ(作品集)として見せられるので、スキルを見える化してアピールしやすいのも魅力です。
実績をつくりやすく、仕事につながりやすい
デザインは、未経験でもスキルがあれば十分に評価される可能性があります。
小さなバナーやSNS投稿画像など、初心者が挑戦しやすい仕事が豊富にあるのも魅力。
クラウドソーシングなどで比較的容易に案件を探すことができます。
スクール在学中に実案件にチャレンジするケースも少なくありません。
最初は簡単な案件から始め、経験を積みながらスキルアップしていくのが一般的です。
WEBデザインならゼロからでも実務経験を積める環境が整っています。
キャリアの幅を広げやすい
WEBデザインを学ぶことで、どの職種にも共通する基礎力が身につきます。
レイアウトや色使いなどのデザインスキルはもちろん、構成を考えたり、ユーザーの行動を意識したりする力は、ディレクターやエンジニアにも求められるものです。
デザイナーとして経験を積んだあと、以下のようにキャリアを広げる人も多くいます。
- デザインの専門性を高めて UI/UXデザイナー・アートディレクターへ
- コーディングを学んで フロントエンドエンジニアへ
- 企画力を活かして WEBディレクター・プロデューサーへ
つまり、WEBデザインはどの方向にもキャリアをつなげやすいハブ的ポジションなのです。
デザインスキルを軸にキャリアの方向を自由に広げていくといいでしょう。
まとめ:最適なポジションを見つけてチームの一員に加わろう!
この記事では、未経験からWEB業界を目指すあなたに向けて、WEB制作の全体像を順を追ってお伝えしてきました。
WEB制作は複数の専門職がチームとなり、リレーのようにバトンをつないで進む仕事です。
企画する人、デザインする人、コードを書く人、テストをおこなう人、それぞれが自分の得意分野を活かしてひとつのサイトを作り上げています。
ここで一度、おさらいをしておきましょう。
<WEB制作の工程と役割>
工程 | 主な担当職種 | 使用スキル/ツール例 |
企画・設計 | WEBプロデューサー | 要件定義、企画、サイト設計 |
デザイン | WEBデザイナー | Photoshop、Illustrator、Figma |
フロント実装 | コーダー | HTML、CSS、JavaScript |
バック実装 | バックエンドエンジニア | PHP、Python、SQL、WordPress |
テスト・公開 | ディレクター/エンジニア | テスト設計、デバッグ、Git |
運用・保守 | ディレクター/マーケター/エンジニア | SEO、アクセス解析、改善提案 |
<WEB制作のキャリアアップ>
下流工程(制作フェーズ)から上流工程(企画・設計フェーズ)へとステップアップしていくのが一般的。
キャリアアップ例
- デザイン方面に進みたい場合:
WEBデザイナー → UI/UXデザイナー → アートディレクターへと専門性を深めていく - 開発(エンジニア)方面に進みたい場合:
コーダー → WEBエンジニア(フロントエンド/バックエンド) → フルスタックエンジニア → テクニカルディレクターへと発展していく - マネジメント・ディレクション方面に進みたい場合:
WEBディレクター → WEBプロデューサー、またはマーケティング領域(WEBプランナー・WEBコンサルタントなど)へ進む
上流工程を目指さず、特定分野のエキスパートを目指すケースもあります。
ひとつひとつの工程はつながっており、どの職種からもキャリアを広げることが可能です。
さまざまな職種がありますが、WEB制作でキャリアを築くには、「まずは自分の得意」を作って起点にしましょう。未経験から始めるならWEBデザイナーがおすすめです。
WEB制作の世界は、学ぶたびに面白さが増していきます。
「なりたい自分」を叶える役割を見つけたら、さっそく行動を起こしましょう。
その先にはきっと、あなたらしい働き方が待っているはずです。
