「UXデザイナーの年収はどれくらいなの?」
「今後年収を上げていくにはどうしたらいいの?」
このような疑問を持っているUXデザイナーは多いと思います。
平均年収は430万円ですが、年齢や地域、雇用形態によって平均年収で見ただけでも200万円近くの開きがあります。
また、UXデザイン単体でそこまで目指すことは難しくマネジメントスキルやマーケティングスキルなど習得すれば1,000万円以上目指すことも可能です。
そこで、今回の記事ではまずUXデザイナーの年収について4つの観点から比較し、年収ごとに求められる仕事内容とスキルを解説します。
あなたの目指す年収やそれに必要となるスキルを手に入れて、UXデザイナーとしての成功を収める参考にしてください。
目次
UXデザイナーの年収は430万円
UXデザイナー全体の平均年収は430万円ですが、年齢や雇用形態など条件によって異なるため、次の4項目で調査してまとめました。
年齢別
- 男女別
- 地域別
- 雇用形態別
それぞれ見ていきましょう。
年齢別UXデザイナーの年収
まずは年齢別のUXデザイナーの年収の比較をしてみます。
引用:求人ボックスより作成
45~49歳のところで若干下がりますが、全体的には年代ごとに上昇することがわかります。
極端に大きく上がるポイントはありませんが、順当にスキルを身につけていけば年収増加を見込めると言えます。
男女別UXデザイナーの年収
次に性別でも比較をしてみます。
引用:求人ボックスより作成
20代前半は男女で大きな違いはないですが、20代後半から徐々に男性の方が高くなり、40代では130万円以上も差が生まれています。
収入の上がり方で比較すると、男性は20代から50代にかけて一定のペースで収入が上がっていきますが、女性は男性ほど上がり幅が大きくないものの50代になるタイミングで100万円近く上昇していることがわかります。
地域別UXデザイナーの年収
では、地域ごとに比較してみると収入に大きな差はあるのでしょうか?
平均年収が出ていた都道府県で比較してみます。
神奈川県 | 659万円 |
東京都 | 645万円 |
京都府 | 600万円 |
大阪府 | 599万円 |
北海道 | 535万円 |
福岡県 | 489万円 |
宮城県 | 483万円 |
長野県 | 475万円 |
神奈川、東京、京都、大阪など比較的大きな都道府県だと平均年収と比較すると、100〜200万円高いことがわかります。
この後ご紹介しますが、雇用形態や企業規模によっても年収に大きな差があるため、自分が希望している働き方や企業の平均年収などを事前に確認しておきましょう。
正規・非正規のUXデザイナーの年収
それぞれ、1日8時間、月に土日を除く22日間働いたと想定して比較すると下の表の通りになります。
平均時給
平均年収
正社員
2,997円※
633万円
派遣社員
2,043円
431万円
パート・アルバイト
1,301円
274万円
引用:求人ボックスより作成
平均値で比較すると、正社員が時給も年収も高いことがわかります。
ですが、パート・アルバイトは収入のばらつきが人によって大きいため、正社員が一番稼げると言えません。
特に、フリーランスの場合は月の案件受注数によっても大きく変動するため、参考値として比較してみてください。
企業規模別のUXデザイナーの年収
最後に、企業規模ごとの年収の比較をしてみます。
従業員規模
平均年収
10~99人
420万円
100~999人
403万円
1,000人以上
554万円
引用:求人ボックスより作成
1000人未満だと400万円台前半ですが、1000人以上だと一気に150万円ほど高くなります。
このあと、収入別の仕事内容とスキルをご紹介しますが、同じ仕事内容でも企業規模が違うだけで収入が変わるケースがある点に注意が必要です。
【年収別】UXデザイナーの仕事内容と必要なスキル
ここまで、平均年収の比較をしてきました。
ですが、どの地域・雇用形態で働くかなど、決めていくに当たって大事なのが、自分自身がどの年収を目指していきたいのがというゴール設定です。
それによって、求められるスキルや実績が変わるからです。そこで、年収別の仕事内容やそれに必要なスキルを解説していきます。
〜400万円まで
まずは、平均年収まで目指していく場合の仕事内容と必要なスキルをまとめます。
仕事内容
- ユーザーリサーチの補助
- ワイヤーフレームやプロトタイプの作成
- ユーザビリティテストの実施
- デザインガイドラインに従ったUIデザインの作成
- 他のデザイナーや開発チームとの連携
必要なスキル
- 基本的なUXデザインの知識
- ツール(Sketch、Figma、Adobe XDなど)の使用スキル
- 基本的なプロトタイピングスキル
- コミュニケーションスキル
- ユーザーリサーチの知識
このフェーズでは、基本的な知識やツールを扱うスキル、コミュニケーションスキルがあれば、経験や年数を重ねることで十分目指せます。
使用ツールは企業や案件によって異なるため、すでにスキルを学んでいる、あるいは勉強中の場合はそれにあったものを選ぶことも可能です。
400〜600万円まで
次に、平均年収から上の年収を目指したい人に向けて、求められる仕事内容とスキルを解説します。
仕事内容
- ユーザーリサーチの計画と実施
- デザインコンセプトの制作
- ワイヤーフレームのデザインの作成
- 高度なプロトタイプの作成
- ユーザビリティテストの実施
- 開発やマーケティングなど他部門との連携
必要なスキル
- 高度なUXデザインの知識と経験
- 複雑なプロトタイプの作成スキル
- ユーザーリサーチとデータ分析のスキル
- 複雑な問題解決能力
- チームリーダーシップスキル
年収400万円までのフェーズと異なるのは、より専門的な知識やスキル、リーダーシップが求められることです。
UXデザインの知識や経験については、ユーザーインタビューやアンケートなどから定性・定量的なデータを分析してそれをアプトプットするスキル、コンセプトデザイン、ユーザビリティテストの専門知識など、それまでより深い知識や分析を通してアウトプットする必要があります。
また、企業や案件によっては自分がチームリーダーとしてチームをマネジメントすることも求められるため、個人の裁量に収まらなくなってくるのも大きな違いです。
600〜800万円
最後に、年収1000万円を目指す上で求められる仕事内容とスキルをご紹介します。
仕事内容
- UXを使った戦略の策定と実行
- チームのリーダーシップ
- チームマネジメント
- 会社全体のUXの品質向上
- 市場調査や競合分析の実施
- 調査・分析をもとにした戦略の立案
必要なスキル
- UXデザインを使った戦略立案能力
- ビジネス戦略とユーザー要件を掛け合わせる能力
- 高度なデザインシステムの知識
- クライアントとのコミュニケーションと交渉スキル
- トレンドや新しい技術に対する知識と適応力
仕事内容で400~600万円のフェーズと異なり、UXデザイナーとしての知識やスキルだけではなくマーケティング的な視点やビジネス戦略など、より高度な視座が求められます。
今までは分析とアウトプットだけだったものが、それらを活用して開発やマーケティング、営業など他の部門とも連携してプロジェクトを円滑に進めることが求められるのです。
また、仕事内容やスキルで重複しますが、同じ仕事内容でも案件や企業規模によって単価や収入が変わる点にも注意が必要です。
まとめ
今回の記事ではUXデザイナーの年収について、5つの軸で比較したデータと年収ごとの仕事内容・スキルを解説しました。
年収を上げるためには、UXデザインの知識やスキルアップはもちろん、マネジメントスキルや業務内容以外の知識や視座が求められます。
さらに、同じ仕事内容でも地域や企業規模によって収入が異なるため、目指すゴールと照らし合わせて、自分が今いる環境が適切なのかも考えてみましょう。