WEBデザイナーとプログラマーどっちか選ぶ鍵は「プログラミング」

WEBデザイナーとプログラマー、どっちが自分に向いているのか?どっちに進もうか?と、悩んでいませんか。 

そもそもWEBデザイナーとプログラマーそれぞれ仕事内容は大きく異なるため、「デザインが好きか」「プログラミングが好きか」で、まずは方向性を決めるとよいです。

どちらも捨てがたいという人は、収入や活躍できる場面・働き方などを比較し、自分が望む未来を手にいれられると感じたほうを選びましょう。

とはいえ両者の違いがよくわからないという人も多いと思うので、今回の記事では、WEBデザイナーとプログラマーの違いを徹底的に比較していきます。

この記事を読み終えるころには、WEBデザイナーとプログラマー、自分がどっちに向いているのか、どっちに進もうかが明確になっているはずです。

WEBデザイナーとプログラマーどっちか迷ったら見るべきポイントの比較表

まず始めに、WEBデザイナーとプログラマーの仕事内容や収入面などを一覧にして比較してみましょう。

<WEBデザイナーとプログラマーの比較表>

比較項目

WEBデザイナー

プログラマー

主な仕事内容

WEB上のあらゆるもののデザイン

プログラミング言語を用いて開発をする

会社員としての活躍

フリーランスとしての活躍

具体的な活躍の場

・制作会社

・事業会社

・WEBサイト業界

・SNS業界

など

・WEB関連会社

・ゲーム会社

・政府企業・大手企業

・通信会社

・オープン系プログラム市場

など

会社員平均年収

338万円

338万円

フリーランス平均年収

360万円

550万円

必要なスキル

・デザインスキル

・ツールスキル

・コミュニケーションスキル

・プログラミングスキル

・デバッグスキル

・コミュニケーションスキル

向いている人の特徴

・プログラミングよりデザインが好きな人

・おしゃれなイメージの職業に就きたい人

・トレンドをキャッチし自由かつ柔軟な発想ができる人

・デザインよりプログラミングが好きな人

・ルールに沿って対応できる人

・論理的思考に基づいて作業ができる人

WEBデザイナーは「デザイン」、プログラマーは「プログラミング」がメインです。 

きちんと違いや特徴を理解していないと、どっちを選んでも後悔してしまいかねません。

この後、上記含めWEBデザイナーとプログラマーの違いや特徴について、より詳しく解説していきますので、最後まで読んで理解してからどっちに進むかを決めてくださいね。

WEBデザイナーとプログラマーの仕事内容比較

WEBデザイナーとプログラマーは、「デザイン」と「プログラミング」とメインの仕事が大きく異なります。1

<WEBデザイナーとプログラマーの仕事内容比較表>

 

WEBデザイナー

プログラマー

主な仕事内容

WEB上のあらゆるものをデザインする

プログラミング言語を用いて開発をする

具体的な仕事内容

・バナー

・LP(ランディングページ)

・WEBサイト

・サムネイル画像

など

・大規模システム開発

・WEBサイト開発

・アプリ・ゲーム開発

・オペレーティングシステム開発

など

求められる結果

デザインを通して訴求ポイントを的確に伝える

要望を叶えるシステムを開発する

WEBデザイナーは「デザイン」が仕事であり、それをコーディングするためのプログラミング知識は必要ありません。

「WEBデザイナーもプログラミング(コーディング)ができなければいけない」という情報もありますが、分業化も進んでおり、現在はWEBデザイナーにプログラミング言語は必須ではないのです。

現役プロWEBデザイナーも、「もう何年もコーディングはしていない。WEBデザイナーとして稼いでいくのにコーディングは必要ない」と動画の中で語っています。

 一方、プログラマーはデザインに携わることは無く、システム開発や、WEBデザイナーが描き起こしたデザインをサイトに起こす作業がメインです。 

WEBデザイナーとプログラマーの働き方比較

WEBデザイナーとプログラマーは、会社員・フリーランスどちらの働き方もできる職業です。

<WEBデザインナーとプログラマーの働き方と活躍の場の例>

 

働き方

活躍の場

概要

WEBデザイナー

会社員

制作会社

クライアントの要望に沿ったデザイン制作を行う

事業会社

自社サービスや商品に携わるデザイン制作を行う

フリーランス

WEB業界

WEBサイトやバナーなどのデザインを行う

SNS業界

SNSアイコンや投稿などのデザイン制作を行う

プログラマー

会社員

WEB関連会社

WEBサイトに特化したプログラムを行う

ゲーム会社

テレビゲームやスマホゲームなどの開発・運用を行う

政府企業・大手企業

汎用機を用いて開発・運用を行う

通信会社

通信時におけるシステム構築・運用を行う

フリーランス

オープン系プログラム市場

汎用機を用いないプログラミングはどの業界でもフリーランス案件が多数

WEBデザイナーもプログラマーも需要がある職業ですので、会社員として活躍したいという場合も豊富な求人の中から選ぶことができるでしょう。

<WEBデザイナーとプログラマーの求人数比較表>

WEBデザイナー求人数

プログラマー求人数

84,554 件

150,383 件

※求人ボックス2024.5.1日現在の情報です

また、WEBデザイナーもプログラマーも、どちらも副業やフリーランスとしても注目を集めている職業ですから、在宅で、個人で働きたいという人にもおすすめです。

Brocanteによる「ITフリーランス人材及びITフリーランスエージェントの市場調査」では、WEBデザイナーやプログラマー含むITフリーランス人口が2019年に比べると239,715人も増えており、年々右肩上がりというデータがでています。

ITフリーランス人材の推移

参考:Brocante

この後両者の将来性についても詳しく解説しますが、どちらも将来性も見込める職業です。

会社員求人数も多く、フリーランスとしての活動できる道も潤沢なことから、WEBデザイナーもプログラマーどちらも、自分に合った働き方の選択ができる仕事だと言えるでしょう。

WEBデザイナーとプログラマーの収入事情比較

会社員の平均年収は、WEBデザイナーもプログラマーも338万円となっていますが、フリーランスでみるとプログラマーのほうが高くなっています。

<WEBデザイナーとプログラマーの年収比較>

 

WEBデザイナー

プログラマー

会社員の平均年収

338万円

338万円

フリーランスの平均年収

360万円

550万円

フリーランス白書2023のデータを見ても、プログラマーが含まれる「エンジニア・技術開発系」と、WEBデザイナーが含まれる「クリエイティブ・WEB・フォト系」では年収400万円以上と答えた割合に20パーセント程度差があります。

フリーランスの年収

参考:フリーランス白書2023

ですが、フリーランスの場合、どれだけ働くか・どの仕事をどの単価でやるかによって大きく年収は変化しますので、WEBデザイナーが高収入を目指せない職業というわけではないのです。

 データ上ではフリーランスの場合、プログラマーよりWEBデザイナーのほうが低収入になっていますが、当メディアを運営する日本デザインスクール卒業生には、脱サラして月収100万円・300万円を達成した人など、高収入を得ている人も大勢います。

参考:卒業生実績インタビューシリーズ

フリーランスWEBデザイナーとして高収入を目指したいという人は、バナー制作など低単価な案件ではなく、LPやサイト制作など高単価案件を請け負えるようになっておきましょう。

<WEBデザイナー単価相場一覧表>

案件

単価相場

WEBサイト一式

40万円~150万円

バナー制作

5,000円~2万円

YouTubeのサムネイル

1,500円~5,000円

LP(ランディングページ)

・PC対応:5万円~20万円

・レスポンシブ対応:5万円~50万円

 プログラマーの場合は、何の言語を極めるかで収入も大きく変化します。

 paiza株式会社によるプログラミング言語に関する調査2022年版では、Scalaを扱えるプログラマーの年収が最も高い傾向にあるとの結果がでています。

プログラミング言語と年収について

参考: paiza株式会社によるプログラミング言語に関する調査2022年版

フリーランスの場合も、言語によって単価の変動があります。

<フリーランス案件のプログラミング言語と平均単価・最高単価>

プログラミング言語平均単価最高単価
Java68 万円265 万円
パイソン76 万円170 万円
PHP72 万円185 万円
Ruby80 万円145 万円
JavaScript71 万円170 万円
C#67 万円290 万円

参考:レバテックフリーランス

平均単価が低めのJavaやC#ですが、法人案件や、開発・運用まで一貫して任せられる場合は高単価になる傾向にあります。

フリーランスで高収入を目指す場合は、プログラミングが描けるということに加え、長期的な運用までできるスキルを身につけておくとよいでしょう。 

WEBデザイナーとプログラマーの需要と将来性の比較

WEBデザイナーもプログラマーも、どっちも需要・将来性共に高いです。

WEBデザイナーとプログラマーはどちらも「IT人材」に含まれており、需要含め様々なデータが発表されています。

そこでここでは、WEBデザイナーとプログラマーどちらも含むIT人材に関するデータをもとに、需要や将来性があるということを解説していきます。

経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課のIT人材育成に関する資料を見てみると、IT人材需要との需給ギャップから2030年時点で最高約80万人規模でIT人材不足が生じるというデータが出ているのです。

IT人材の不足について

参考:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課

2024年現在でもすでに40万人程度不足しているとされているため、現時点でも、将来的にも、需要がなくなるどころかさらに加速することが予測されます。

注目度の上昇や働き方を見直す人も増えているため、参入者は増えていることは確かです。

事実、情報処理推進機構が発表したDX白書2023のデータを見てみると、日本のIT人材は2015年から2020年の5年間で20万人以上増加していることが分かります。

IT人材の増加について

参考:DX白書2023

緩和状態ならば、今から始めても稼げないのではないか?と思う人もいるかもしれませんが、決してそうではありません。

 新規参入者は増えても、まだまだ高度なスキルを持つ人材はプログラマー・WEBデザイナーともに不足しているのです。

 経済産業省が提示したデータでも、日本のITレベルはトップのアメリカから大きく離れており、トップのアメリカレベルまで上げたい、レベルアップが必要だという見解がされています。

各国のIT人材レベル

参考:経済産業省

加えて、日本デザインが実施した「IT人材の採用に注力している企業の経営者に対する調査」でも、「優秀なIT人材の不足を感じている」と、約8割が回答しています。

IT人材の採用に注力している企業の経営者に対する調査

参考:PRタイムズ

上記のデータを見ても、WEBデザイナーやプログラマーの需要や将来性は十分あるものの、高度なスキルを持つ人材が不足していることは明白です。

WEBデザイナーもプログラマーも需要・将来性共に高い職業ですが、新規参入者に埋もれず活躍するためにも高度なスキルを身につけていく必要があると言えるでしょう。

WEBデザイナーとプログラマーに必要なスキルの比較

WEBデザイナーに最も必要なのは「デザインスキル」、プログラマーに最も必要なのは「プログラミング言語スキル」です。

 <WEBデザイナーとプログラマーに必要なスキル>

WEBデザイナーに必要なスキル

プログラマーに必要なスキル

・デザインスキル

・ツールスキル

・コミュニケーションスキル

・プログラミングスキル

・デバッグスキル

・コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルやツールを使いこなすスキルなども必要ですが、まずそれぞれの職業の要であるスキルを身につけないことには始まりません。

WEBデザイナーになるためには、

  • レイアウト
  • 文字詰め
  • 配色
  • フォント
  • 写真や画像編集

など基礎スキルの網羅に加え、現場で活躍できる一歩上のレベルまで習得しておく必要があります。

現場で活躍できるレベルのバナー

参考:日本デザインYouTube

上記はほんの一例ですが、少し手を加えるだけで、見るべきポイントを変えるだけで、グッとプロっぽく、お金がもらえるレベルのデザインに変わるんですよね。

プログラマーの場合、どの言語を極めるかをまず明確にしておかなければいけません。

そのためには、自分がプログラマーとしてどんな働き方をして、どんな仕事に携わりたいのかを明確にしておきましょう。

 どこから手を付けたらいいのか迷うという人は、

  • HTML/CSS
  • JavaScript
  • Ruby
  • Python

などが初心者でも学びやすく、基礎として重要かつ案件も比較的多い言語をまず身につけておくことをおすすめします。

また、どちらもコミュニケーションスキルやそれぞれに必要なツールスキルも欠かせません

 WEBデザイナーもプログラマーも、本当に必要なスキル・現場で求められるスキルを身につけるには独学では足りないことが多いです。

初期投資はかかるものの、それぞれの分野で評価されているスクールの利用も検討してみてください。

WEBデザイナーとプログラマーそれぞれに向いている人の特徴

WEBデザイナーとプログラマー、どっちに向いているか、どっちに進むべきかの大きな指針となるのは「プログラミング」です。

 <WEBデザイナーとプログラマーそれぞれに向いている人の特徴チェック表>

比較項目

WEBデザイナー

プログラマー

プログラミングが好き

デザインが好き

ルールに沿って進めることが好き・できる

自由かつ柔軟な発想が好き・できる

プログラミングに対する自分の意識や、どんなことが好きなのか、得意なのかをハッキリさせておかないと、「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまいます。

 そこでつづいては、WEBデザイナー・プログラマーそれぞれに向いている人の特徴を詳しく解説していきます。

プログラマーよりWEBデザイナーに向いている人の特徴

プログラマーよりWEBデザイナーが向いている人の特徴の大きなポイントは、「デザインが好き」「由かつ柔軟な発想ができる」ということです。

<プログラマーよりWEBデザイナーに向いている人の特徴>

  • プログラミングよりデザインが好きな人
  • おしゃれなイメージの職業に就きたい人
  • トレンドをキャッチし自由かつ柔軟な発想ができる人

デザインが好き、おしゃれなイメージの職業に就きたいという人は、トレンドや美的感覚も必要になってくるWEBデザイナーがピッタリです。

また、決められたコードを正しく入力していくプログラマーとは違い、WEBデザイナーにはクリエイティブな思考も必要。

WEBデザインのトレンドも移り変わりますから、常にアンテナを張って、新しいデザインを反映させていかなければいけません。

現役プロWEBデザイナーも、「トレンドは1.2年で大きく変わるし、それに伴ってWEBデザイナーも知識をアップデートしていかなければいけないから、大変だという面もある。」と、この動画の中でおっしゃっています。

もちろんクライアントの要望を形にするための論理的思考も必要ですが、トレンドを追い、新しい思考をどんどん吸収・反映していくのが楽しいと感じる人は、プログラマーよりWEBデザイナーに向いています。

WEBデザイナーよりプログラマーに向いている人の特徴

WEBデザイナーよりプログラマーに向いている人の特徴は、「プログラミングが好き」そして「論理的思考が得意」ということです。

<WEBデザイナーよりプログラマーに向いている人の特徴>

  • デザインよりプログラミングが好きな人
  • ルールに沿って対応できる人
  • 論理的思考に基づいて作業ができる人

プログラマーの主な仕事は「プログラミング」ですから、プログラミングに苦手意識がある人は学ぶことも、仕事を続けることも苦しくなってしまいます。

また、プログラミングはセンスや感覚が問われるものではありません。ルールに沿ってプログラムを組んでいかないと、何も動作しなくなってしまうのです。

そのため、ルールは覚えておくけどある程度自由な発想も取り入れたい!という人にはプログラマーは向いていません。

WEBデザイナーのようなクリエイティブ思考ではなく、終始論理的思考に基づいて作業ができる人は、プログラマーがピッタリです。

まとめ

今回の記事では、WEBデザイナーとプログラマーの違いや働き方、向いている人などをまとめて解説しました。

WEBデザイナーは「デザイン」、プログラマーは「プログラミング」が主な仕事ですから、同じWEB関連、IT系の職業でも内容は大きく異なります。

今回の記事を参考にぜひ自分がどっちに向いているのか、どっちに興味があるのかを見つけてください。

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質疑応答ももちろんあるので、不安や疑問な点はなんでも聞いてくださいね。