「Webデザイナー検定を取得すると、WEBデザイナーに就職・転職するときに有利になる?」
「Webデザイナー検定ってぶっちゃけ取得する意味あるの?」
これからWEBデザインの勉強を始めようとしている人、あるいはWEBデザイナーに興味がある人でこのような疑問を抱えている人はいませんか?
そもそも、Webデザイナー検定とは、WEBデザインのプロとしての知識やスキルを評価するための試験です。
試験に合格するためには、下記のようにWEB制作に関するさまざまな知識が求められます。
- WEBデザイン
- WEB制作の企画・運用
- HTML / CSSなどのプログラミング言語
- テスト運用
- 評価方法
しかし、結論をお伝えすると、WEBデザイナーを目指す上でWebデザイナー検定の取得は必要ありません。
この事実を知らずに、「Webデザイナー検定を取得する=WEBデザイナーに近づける」と考えてしまうと、WEBデザイナーになるまでに時間や労力、そしてお金を無駄にしてしまいかねません。
そのため、WEBデザイナーにはどのようなスキルが必要であるのかを知っておくことも大切です。
読み終わる頃には、WEBデザイナーを目指す上で、まずは何から着手すべきか具体的にイメージできるようになるでしょう。
遠回りしてWEBデザイナーにならないようにするためにも、ぜひご参考ください!
目次
1.【結論】WEBデザイナーにWebデザイナー検定は不要!
まず、結論から申し上げるとWEBデザイナーにWebデザイナー検定は必要ありません。
それは、下記の4つの理由によるものです。
WEBデザイナーにWebデザイナー検定が不要である4つの理由 |
|
ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
これを読めば、WEBデザイナーになるために時間や労力、そしてお金を無駄にして遠回りするリスクを軽減させられるでしょう。
1-1. 理由1: WEBデザインのトレンドや技術は目覚ましいスピードで変化しているから
WEBデザインのトレンドや技術は、資格や検定がついていけないほど目覚ましいスピードで変化しています。
そのため、Webデザイナー検定を取得したとしても、最新のトレンドや技術が身につけられたとは言えず、制作現場で即戦力になれません。
たとえば、以前人気があったFlashというアニメーションソフトは、2020年には完全に撤廃しているにも関わらず、2020年以降の試験に出題されたこともあるそうです。
これでは、Webデザイナー検定を取得する意味が全くありませんね。
仕事によっては、資格や検定が必要不可欠であったり、就職・転職活動の際に有利に働いたりすることもありますが、WEBデザイナーについてはWebデザイナー検定を取得することで、これらのようなメリットを得られるケースはほとんどありません。
1-2.理由2: 採用担当者はWebデザイナー検定などの資格よりも実践的なスキルを重視しているから
Webデザイナー検定を筆頭に、下記のようにWEBデザイン系の資格は数多くありますが、現役のWEBデザイナーでこれらの資格や検定を取得している人、あるいはこれらの資格や検定の存在を知る人は少ないです。
WEBデザイン系の資格・検定 |
|
実際に、現役デザイナーとして活動を続けながら、WEBデザインスクールである「日本デザインスクール」の代表を務める久保なつ美さんは、10年以上WEBデザイナーとして活動していますが、Webデザイナー検定をはじめ上記の資格を1つも取得していません。
彼女自身、これまでプロになるまでに数十社もの制作会社を受験してきたとともに、制作会社の面接官を務めてきたこともあります。
しかし、「Webデザイナー検定」の取得の有無が、WEBデザイナーの採用に影響したことは一度もないそうです。
フリーランスであってもそれは同じで、クライアントから保有する資格や検定について聞かれたことはないと彼女は言っています。
久保さんの話をさらに詳しく聞きたい人は、下記の動画を視聴してみてださい。
ちなみに、久保さん以外のWEBデザイナーの方もWebデザイナー検定などの資格は、ほとんど仕事に活かせていないと明言しています。(下記参照)
デザイナーに資格は必要か。
結論はフリーランスなら不要です。私は無駄に10個ぐらい取りましたが大して活きてない。
あえて資格のメリットを挙げるとすれば中小企業などの新卒採用の場合に多少意欲を買ってもらえたり他の学習同様、過程で得られる考え方や情報処理能力が鍛えられるぐらいです。
出典:X (旧Twitter)
詳細は次章で述べますが、WEBデザイナーに重要なものはWebデザイナー検定などではなく、「スキル」です。
多くの場合、WEBデザイナーの採用活動の初期段階で、「ポートフォリオ」と呼ばれるWEBデザインの作品集の提出を求められます。
それは、「ポートフォリオ」を一目見るだけで、制作者のスキルがある程度把握できてしまうからです。
Webデザイナー検定のような資格を取得するのではなく、高品質なポートフォリオが制作できるようなスキルを身につけることの方が大切です。
1-3. 理由3: Webデザイナー検定の勉強だけではスキルは身につかないから
Webデザイナー検定は筆記試験のみの試験であることから、WEBデザインに関する知識は身につけられるものの、「スキル」を身につけることはできません。
Webデザイナー検定は、「ベーシック」と「エキスパート」の2つの級に分かれる試験で、いずれも下記のようなWEBデザインの知識に関するマークシート式の10題の問題で構成されています。
出典:CG-ARTS 検定
WEBデザイナーは技術職であることから、WEBデザインに関する知識だけでなく、その知識を応用してデザインを制作するスキルやデザインツールを使い込なすスキルなどの高い技術が求められます。
つまり、Webデザイナー検定合格に向けて勉強し、合格できたとしてもWEBデザイナーになるのに必要な技術力は身についていないことから、資格を取得したからといってWEBデザイナーになれるわけではありません。
1-4. 理由4: Webデザイナー検定は費用対効果が低いから
Webデザイナー検定を取得したとしても、費用対効果は非常に低いためおすすめできません。
まずは、Webデザイナー検定を取得するために必要な費用がどれほどかかるのかを確認しましょう。
Webデザイナー検定受験にかかる費用の内訳 | 料金 |
受験料 | ベーシック:5,600円(税込) エキスパート:6,700円(税込) |
教材費 | 2,000〜10,000円程度 |
受講費用(スクールへの通学・通信講座を受講した場合) | 数万〜数十万円程度 |
試験会場までの交通費・宿泊代 | 数百円〜数万円程度 |
合格証明書の発行 | 1,000円 |
合計 | 数万〜数十万円 |
Webデザイナー検定の教材については、試験を開催している公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が出版している下記の4種類しかありません。
いずれのテキストも安価であるとは言えませんね。
出典:CG-ARTS 検定
また、試験の公開受験会場が下記のように全国でわずか17会場しかないことから、これらの試験会場が自宅の近くにない人は、試験会場までの交通費、場合によっては宿泊費も必要になるでしょう。
出典:CG-ARTS 検定
Webデザイナー検定を受験あるいは取得するまでに、これほど時間や労力、そしてお金がかかるにも関わらず、就職・転職活動でほとんど採用担当者から注目されない、あるいは仕事で活かせないとなると非常にコスパが悪い検定であると言えます。
このような理由から、Webデザイナー検定は費用対効果が低いためおすすめできません。
2. WEBデザイナーに必要なのはWebデザイナー検定ではなくスキル
WEBデザイナーは、「スキルを身につけて実績を作ること」が、Webデザイナー検定を取得するよりも大切なことです。
同じ時間や労力を投下するのであれば、下記のスキルを身につけることの方をおすすめします。
WEBデザイナーが最低限身につけるべきスキル |
|
そして、これらのスキルを身につけるためには、デザインに関する基本的な知識やデザインツールの使い方を身につけて実際に作品を制作していくことが大切です。
WEBデザイナーに最低限必要なスキルや、スキルを身につけるための方法については、こちらの記事に詳しく紹介しています。
興味がある人は、こちらもあわせてお読みください。
▼あわせて読みたい記事
3. まとめ:WEBデザイナーにWebデザイナー検定は不要!時間やお金は無駄にしないで!
この記事では、下記の4つの理由より、Webデザイナー検定を取得することは時間とお金の無駄であることを説明しました。
WEBデザイナーにWebデザイナー検定が不要である4つの理由 |
|
WEBデザイナーになるためには、Webデザイナー検定ではなく、下記の「スキル」を身につけることが大切です。
WEBデザイナーが最低限身につけるべきスキル |
|
Webデザイナー検定取得ではなく、これらのスキルの習得に時間や労力、お金を注ぎ込んで、最短距離でWEBデザイナーを目指しましょう。