WEBデザインスクールと職業訓練、どちらで学ぶべきか迷っていませんか?
今回は職業訓練校とWEBデザインスクールの両方を卒業した方々の率直な感想をもとに、2つの違いをまとめました。
ずばり、「どっちがいいの?」の疑問にお答えします。
両方を知るからこそわかるそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきますので、比較検討する際の参考にしてください。
この記事を読み終わる頃には、あなたがどちらに向いているかハッキリしているはず。
納得のいく形でWEBデザイナーへの一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです。
<この記事でわかること>
- 未経験からWEBデザイナーに転職するにはどちらが近道か
- 職業訓練の仕組みを簡単に解説
- WEBデザインスクールと職業訓練の違いを比較
- 職業訓練校のメリット・デメリット
- WEBデザインスクールのメリット・デメリット
- 職業訓練校に向いている人/WEBデザインスクールに向いている人
※この記事は、職業訓練校とWEBデザインスクールを同時受講、もしくは職業訓練卒業後に「学び直し」でスクールに入学した本校卒業生のインタビュー内容をもとに作成しています。
目次
結論|未経験から転職を目指すなら、職業訓練よりWEBデザインスクールが近道
未経験からWEBデザイナーへの転職を目指すなら、WEBデザインスクールで学ぶほうが現実的です。
理由はシンプルで、職業訓練を受けても実際にWEBデザイナーとして就職できる人は多くないからです。
職業訓練制度の目的は「就職支援」であり、「デザイナー育成」ではありません。
就職率で成果が判断されるため、どんな職種でも就職すれば「成功」と見なされます。
そのため、希望とは異なる職種を勧められることもあるのです。
<職業訓練校卒業生の声>
『20人中、WEB業界に就職できたのは2割くらい。
飲食や販売職に戻った人も「就職」としてカウントされていました』
WEBデザイン分野の職業訓練生の就職率は、ここ数年平均60%前後とされています。
ちなみに令和5年度の「公共職業訓練」の実績を確認すると、デザイン分野の就職率は施設内訓練が78.9%、委託訓練が67.6%。
一見するとなかなか高い就職率ですが、この数字にはWEBデザイン以外の職種(事務・販売など)も含まれています。
「就職率の高さ=WEBデザイナーになれる確率」ではない点に注意が必要です。
一方で、WEBデザインスクールは「WEBデザイナーとして働くこと」をゴールにしています。
卒業後すぐに現場で通用するスキルを磨けるため、「確実にWEBデザイナーとして転職したい」と考えるならスクールで学ぶほうが近道なのです。
とはいえ、目的や状況によってどちらを選択すべきかは人によって異なります。
実際に両方受講した人の声をもとに、WEBデザインスクールと職業訓練校の違いを詳しく見ていきましょう。
▼「卒業生の声」参考
▼「職業訓練 就職率」参考
厚生労働省「ハロートレーニング」
まずは「職業訓練」の仕組みを簡単に解説
「職業訓練って、そもそもどんな制度?」
民間のWEBデザインスクールと比較する前に、職業訓練(ハロートレーニング)の概要を把握しておきましょう。
職業訓練とは、国(厚生労働省)や都道府県が主体となる「就職のための無料スクール」。
再就職やキャリアチェンジを目指す人が、仕事に役立つスキルを身につけるための公的支援制度です。
WEBデザイン以外にも、事務・プログラミング・販売・介護など、さまざまな分野の講座があります。
職業訓練は対象者のタイプによって次の2種類に分かれるため、あなたがどちらの対象になるか把握しておきましょう。
種類 | 対象者 | 特徴 |
公共職業訓練 | 雇用保険の受給資格がある求職者 | ・実施主体:都道府県や国からの委託先 |
求職者支援訓練 | 雇用保険を受給できない求職者 | ・実施主体:厚生労働大臣認定の民間教育訓練機関 |
どちらの制度も、地域管轄のハローワークで申し込み、選考(面接や筆記)を受けてからの受講になります。
通学は基本的に平日週5日、昼間の時間帯。出欠の管理が厳しく、学校のような雰囲気です。
「費用を抑えて学びたい」「生活リズムを整えて再出発したい」という場合にはぴったりの制度ですが、学べる内容が「就職を目的とした基礎事項全般」である点に注意しましょう。
▼参考:
厚生労働省「ハロトレ特設サイト」
WEBデザインスクールと職業訓練の違いを比較
「職業訓練とWEBデザインスクール、何が違うだろう?」
職業訓練制度の概要を把握したところで、次にWEBデザインスクールとの違いを比較していきましょう。
ここでは次の項目を比較軸に、両者の違いを見ていきます。
- 目的
- 学習内容
- 講師の質
- 学習スタイル
- 費用と期間
以下に特徴の違いを簡潔にまとめました。
比較項目 | 職業訓練校 WEBデザインコース | WEBデザインスクール |
目的 | 就職支援(職種問わず) | WEBデザイナーとしての転職・副業 |
学習内容 | パソコン操作やビジネスマナーなどを含むデザインの基礎中心 | 現場で使うスキルを実践形式で学ぶ |
講師 | 専任講師(非現役の場合も多い) | 現役WEBデザイナーが指導する |
学習スタイル | 週5日・日中通学が基本 | オンライン・夜間・土日など柔軟 |
費用 | 無料(教材費のみ) | 有料(数十万円) |
では、各項目の詳細を見ていきましょう。
※ここから先は、次のインタビュー動画をはじめとする「訓練校とスクールをダブル受講した方々の意見や感想」をもとに「卒業生の声」として紹介していきます。
▼参考インタビュー
- 職業訓練校で学ぶだけでは足りずにスクール受講!脱落しないシステムで着実にスキルを習得できた
- デザイン経験者が苦手に挑戦!不安を乗り越えられたのはチームで助け合える環境のおかげ
- 2校目のデザスクは添削を受けられて成長できた!自分で考える力も身に付いたと実感
- 入門編で学んだことを実践に活かせる!添削やキャリアサポートも楽しめた濃密な45日間
- 無職スキルなしからWEBデザイン副業で月収30万円!フリーランスになったことで人としても成長できた
目的の違い:就職を目指す or WEBデザインを仕事にする
まず知っておきたいのが職業訓練とWEBデザインスクールの「目的」の違いです。
職業訓練 | 職種を問わず就職することがゴール |
WEBデザインスクール | WEBデザインの仕事に就くことがゴール |
職業訓練は、就職支援を目的とした公的制度。
あくまで「仕事に就く」ことがゴールであり、WEBデザイナーになることだけが目的ではありません。
実際、職業訓練を修了しても事務職や販売職など、別の職種に就くケースも多くあります。
一方で、WEBデザインスクールは「WEBデザインを仕事にすること」を目的としています。
そのため、カリキュラムや授業内容は実践的。卒業時点でWEBデザイナーとして転職可能な状態を目指すのが大きな特徴です。
<WEBデザインスクール校長の声>
4,000人を超える受講生をWEBデザイナーに育て、職業訓練卒業生も数多く受け入れてきたWEBデザインスクールの校長も次のように語っています。
『職業訓練は「就職」を目指す人のための制度。でも「WEBデザイナーになりたい」人にとっては、ちょっと遠回りになってしまうことも多いんです』
目的の違いを初めに理解し、あなたの目指すゴールを再確認しておきましょう。
学習内容の違い:基礎を幅広く学ぶ or 実務直結のスキルを習得する
学習内容の違いにも目を向けてみましょう。
職業訓練 | ビジネススキルやWEBデザインの基礎全般を網羅する |
WEBデザインスクール | 実務に必要なスキルを基礎から即戦力レベルに導く |
職業訓練では「就職支援」が目的のため、まずはパソコン操作やWord・Excel、ビジネスマナーなどの基礎からスタートします。
WEBデザインの授業では、市販のテキストを使ってツールの操作方法をひと通り学ぶことが多いようです。
<職業訓練経験者の声>
『最初の2週間でIllustrator、次の2週間でPhotoshop、本屋さんで売っている本を丸1冊一緒にやるっていう感じでした』
一方でWEBデザインスクールは、現場で使うスキルを効率的に身につけるカリキュラムになっています。
実際の案件を想定した課題や講師による添削を通して、「デザインする力」を磨いていきます。
「職業訓練=デザインツールを使えるようになる場所」、「スクール=デザインを仕事にできるようにする場所」と大まかに認識したうえでどちらにするか検討しましょう。
講師・添削の質の違い:講師業に専念 or 現役WEBデザイナー
実際に職業訓練と民間スクールの両方を受講した方々の声を聞くと、講師や添削の質にも違いがあるようです。
職業訓練 | 講師業に専念し、制作現場から離れている講師が多い |
WEBデザインスクール | 現役WEBデザイナーが直接指導するケースが多い |
職業訓練校では専任の講師がクラスを担当しますが、現役でWEBデザイナーとして活動しているとは限りません。
となると気になるのが添削の質。WEBデザインはトレンドの移り変わりが速く、一線を退くと臨場感を持って教えることが難しくなります。
授業の質を一定レベルに保つために、模写やテンプレートを利用した「教科書通りの制作課題」が一般的。提出後のフィードバックがない訓練校もあるようです。
講師のレベルの差が影響しにくいシステムではありますが、見方を変えると「誰が教えても同じ」とも言えます。
<職業訓練経験者の声>
『週5日毎日同じ先生が担当で、授業は本を読みながら一緒に進める感じでした。
添削は毎回「いい感じですね〜」で終わることが多く、どこを直せばよいか分からないままでした・・・』
一方WEBデザインスクールでは、現役のWEBデザイナーが講師を務めることが多く、「今、現場で求められているデザイン」をベースに教えてもらえます。
実際の案件を想定した課題に対して、次のような具体的な添削を受けられるのが大きな特徴です。
- デザインの構成
- 配色やフォントの使い方
- 伝わりやすいレイアウトの工夫
デザイン力は自分では気づけない改善点を指摘してもらって初めて磨かれます。
ただし、講師の質はWEBデザインスクール間でも差があるため、一概に「職業訓練より良い」とは言い切れません。
職業訓練よりもスクール選びの段階で慎重にならざるを得ません。
学習スタイルの違い:週5日フィックスの通学 or 柔軟な学習スタイル
学習スタイルの柔軟さにも大きな差があります。
職業訓練 | 平日週5日(日中)の通学が基本、出欠の管理が厳しい |
WEBデザインスクール | 通学やオンライン、夜間や土日対応など選択肢が多様 |
職業訓練は平日週5日・昼間の通学・全日出席が基本です。
学校のように出欠管理が厳しく、遅刻や早退が続くと受講資格を失うこともあります。
そのため、「毎日通える」「日中の時間を確保できる」という条件をクリアしなければなりません。
<職業訓練経験者の声>
『遅刻や欠席に厳しくて、たとえば1日6 限あったとして、半分欠席するとその日は欠席扱い。トイレのために退室した時間も欠席扱いになってしまいます』
日中家を空けられない方や予定が不規則な方にはハードルが高い環境です。
一方WEBデザインスクールは柔軟な学び方ができるのが強み。
オンライン完結型や夜間・土日対応のスクールも多く、仕事や就活、家庭との両立がしやすいという特徴があります。
<WEBデザインスクールの学習スタイル例>
- 講義動画+個別サポート
- 夜間や土日のライブ授業+アーカイブ配信
- いつでもチャットで質問できる学習システム
- 課題提出(オンライン)+フィードバック(ビデオ会議ツール)
<WEBデザインスクール卒業生の声>
『昼はアルバイトをしながら夜に授業を受けられた』
『オンラインで受講したため、育児の合間に学べた』
ライフスタイルに合わせて学べる点が評価されているようです。
学習期間と費用の違い:無料 or 費用対効果を優先して学ぶ
最後に、期間と費用の違いを見ていきましょう。
職業訓練 | 受講費用:無料(教材費は自己負担) |
WEBデザインスクール | 受講費用:数十万円(スクールによって異なる) |
職業訓練は3〜6ヵ月のコースが一般的で、受講料は無料。
負担するのは1万円程度のテキスト代くらいです。
また、条件を満たせば失業保険や受講給付金(月10万円)を受けながら通うこともできます。
「お金をかけずに学びたい」という人には嬉しい制度。
ただし前にお伝えしたように、学べるのは基礎的な内容に限られるため、制作現場で即戦力になるには、追加の学びが必要となります。
WEBデザインスクールの学習期間は2ヵ月〜1年程度とスクールによってさまざま。
学習内容や学習期間にも違いがあるので、費用も10万円台〜60万円台と幅があります。
一般的に受講期間が長くなるにつれ費用が高くなる傾向がありますが、「実務レベルに到達するスピード × 内容の濃さ=費用対効果」と考えると、「短期間で即戦力レベルに到達できるスクール」が最もコストパフォーマンスが良い選択といえます。
<受講費用を最大限に活かすコスパの良い学び方>
- 現役WEBデザイナーによる添削受けて実践的に学ぶ
- 2~3ヵ月でスキルを習得&ポートフォリオを完成させる
- 卒業後の案件サポートやキャリアサポートを経て転職
スクールを検討する際は、学んで終わりではなく、仕事につながるサポートまでしてもらえるスクールを選ぶと安心です。
卒業生の体験から見えた「職業訓練のメリット・デメリット」
職業訓練は「無料で学べる」「手当がもらえる」などの魅力がある一方で、「想像していた内容と違った」「デザインを深く学べなかった」という声も少なくありません。
ここでは、実際に通った卒業生たちのリアルな体験から、 職業訓練のメリットとデメリットをまとめて紹介します。
メリット |
・受講料が無料 |
デメリット |
・デザインスキルが身につかなかった |
職業訓練のメリット
では、卒業生の声の中で多く聞かれた職業訓練のメリットを順に紹介していきます。
メリット1. 受講料がかからない
最大の魅力は、受講料が無料であることです。
前の章でもお伝えしたように、教材費を除けば金銭的な負担なく学べるため「これを機にWEBデザインを学びたい」とチャレンジする方が多いようです。
<卒業生の声>
『めちゃめちゃありがたいシステム。
働かないで学びに集中できる環境になるので、条件としては素晴らしいです』
金銭的なリスクを負わずにすむのは、再出発を考える際の大きな後押しになります。
メリット2. 給付金や手当の支給がある
もう一つの大きなメリットが、経済的なサポートです。
条件を満たせば次のようなサポートが受けられます。
公共職業訓練 | 求職者支援訓練 |
・基本手当(失業保険) | ・職業訓練受講給付金(条件を満たせば月10万円の給付) |
<卒業生の声>
『授業に通って日数や時間数をクリアすればお金がもらえるんです。
交通費も出ましたし、私の場合、引っ越し費用まで出してもらえました。』
離職中も一定の収入を確保できるのは大きなメリット。次の仕事に就くまでのつなぎ資金ができるので生活の不安が和らぎます。
メリット3. 就職支援が手厚い
就職支援の手厚さにメリットを感じる声も多く聞かれます。
職業訓練のカリキュラムの中には、履歴書の書き方・面接練習・ビジネスマナーといった社会人の基本を一から学べる授業が含まれています。
<卒業生の声>
『履歴書や職務経歴書の書き方、封筒の宛名書きまで丁寧に教えてくれました。
面接のロールプレイもあって、20問ほどの想定質問に答える練習をしました。』
転職を目指して「就職活動の基礎」から学びたい人にとっては最適な環境といえます。
メリット4. 転職に向けて規則正しい生活リズムが整う
生活リズムを整えながら学べるのも職業訓練ならでは。
基本的に週5日平日の日中に訓練校に通い、午前9時から午後5時まで授業を受けることになります。
離職期間中に規則正しい生活をキープするのは意外と難しいものです。
職業訓練に通うことで、1日のスケジュール管理や日中に活動する習慣が身につきます。
<卒業生の声>
『毎朝決まった時間に通うことで、仕事をしていたときの感覚が戻りました。
無職の期間に生活が乱れていたので、リズムが整ったのが良かったです』
長いブランクがある人や、次の仕事に向けて生活リズムを立て直したい人にとって、「毎日通う仕組み」そのものがリハビリ的な役割を果たしているようです。
職業訓練のデメリット
続いて、卒業生の体験談でよく聞かれた職業訓練のデメリットを見ていきましょう。
デメリット1. デザインスキルが身につかなかった
職業訓練卒業生から最も多く聞くのが「デザインを深く学べなかった」という声です。
卒業後、デザインを学ぶために独学したりスクールに通ったり、「学びなおし」を決意する方は少なくありません。
<卒業生の声>
『間違えてるところとかあったときに指摘っていうのがなかったです。添削もないし、自分がどこまでのレベルなのかも分からないし、自分がデザインをできているかわからなかったです』
『職業訓練校が終わってから、何個かデザインの仕事をしたくて面接には行ったんですけど、「バナー作れますか」とか、「ワードプレスで作れますか」とか、半年も勉強したのにできないことばっかり。結局デザインの仕事には就けなかったんです』
職業訓練では、ツール操作やコーディングを中心に学ぶところが多いようです。
「ツール操作やコーディングができる」と「デザインができる」は別のスキル。
ここを理解しておかないと、「卒業して初めてデザインができないことに気づく」という事態に陥るので注意しましょう。
デメリット2. WEBデザイン以外の授業も多い
職業訓練のカリキュラムには、社会人としての基礎知識やビジネスマナーといった必修科目や就職支援の講義が多く含まれます。
実際に東京労働局の公式サイトでWEBデザインコースの案内をいくつか確認してみたところ、共通して次のような学習科目がカリキュラムに組み込まれていました。
・ゼロからはじめる!AI×Webクリエイター養成科
・初めてでもできるWebサイト制作科
・しっかり学べるグラフィックデザイン・WEBデザイン・AI活用科
・初心者からOK Webデザイナー・ディレクター・マーケティング養成科
・グラフィックデザイナー・Webデザイナー養成科
いずれも約半年間のコースで、必修科目の「就職支援」と「安全衛生」のトータル授業時間は約20時間。
このほかにも、「パソコン・インターネット基礎(5時間)」、「ソーシャルメディア利用基礎(5時間)」なども見受けられます。
再就職を目指す方にとっては一般常識を身につける助けになりますが、短期間でWEBデザイナーとしての専門スキルを習得したい方にとっては遠回りになるという点を理解しておきましょう。
デメリット3. 週5日の日中通学で出欠管理が厳しい
メリットとしてお伝えした「週5日、平日の日中通学」ですが、通える人が限られるという点でデメリットにもなり得ます。
全日出席が原則なので、遅刻や早退を繰り返したり、出席率が80%を下回ったりすると給付が受けられなくなるだけでなく、退学処分や今後の失業給付に影響する場合もあります。
遅刻や早退は訓練校によってルールが異なるものの、「5分でも遅刻とみなされる」「遅刻・早退3回で欠席1回分」など出席状況を個々きっちり記録されるため、「会社より厳しい」との声も。
<卒業生の声>
『時間に厳しくて、常に細かくチェックされるんです。
あまりに咳が出るから教室の外に出たことがあったんですけど、その時間は出席と認めてもらえなかったです』
管理されることにプレッシャーを感じる方もいるかもしれません。
職業訓練を最優先にできる状況にないと完遂が難しい制度です。
デメリット4. テストと面接を突破しなければ受講できない
WEBデザインコースは倍率が高く、面接や筆記試験を突破しないと受講できません。
倍率は地域や時期によって変動しますが、一般的には2〜4倍程度で、人気の訓練校では5倍を上回ることもあります。
面接では以下の点をアピールできるようにしておきましょう。
- 就職への強い意欲がある
- 訓練に真面目に取り組める
- 最後までやり遂げられる
- コース内容をきちんと理解している
- 社会人としてのマナーが身についている
<受講生の声>
『人気の業界なのでやっぱり講座も埋まりがちです。
倍率が高くて、面接で「就職したい意思」を強く見せるようにして、服装にも気をつけました。習い事の感覚で行くと合格できないと思います』
▼職業訓練の面接対策はこちらの動画で詳しく解説しています。
卒業生のダブル受講から見えた「スクールのメリット・デメリット」
ここでは、実際に職業訓練とスクールをダブル受講した卒業生の体験談をもとに、WEBデザインスクールのメリットとデメリットを整理し、解説していきます。
メリット |
・実務レベルのデザインスキルが身についた |
デメリット |
・受講費用が高い |
WEBデザインスクールのメリット
職業訓練を終えてスクールに入り直した方々はどのような点をメリットと感じたのでしょうか。順に見ていきましょう。
メリット1. 実務レベルのデザインスキルが身についた
多くの卒業生が、職業訓練では学べなかった「現場で通用するデザインスキル」が身についたと語っています。
『職業訓練ではデザインを教えてもらえず、教科書通りにやってみましょうという感じ。
でもスクールではデザインの考え方から教えてもらえました。
細やかな添削を受けて自分の課題に気づけるようになり、スキルアップできました』
現役のデザイナーから直接デザインの手ほどきを受けられたことにメリットを感じた方が多い印象です。
受講期間中に即戦力レベルのデザインスキル習得が可能なのがスクールの最大の魅力といえます。
メリット2. 短期間で必要なスキルを集中して学べる
職業訓練は3〜6ヵ月の受講期間であるのに対し、3ヵ月未満で卒業できるカリキュラムのスクールもあります。
WEBデザインは実務経験を通して学ぶことも多いため、スキルを身につけたらできるだけ早く制作現場に出ることをおすすめします。
時間をかけて広く浅く学ぶよりも、現場で必要とされるスキルに限定し、短期間で学びを深めるほうが効率的です。
短期集中型で学ぶメリットは次のとおり。
- モチベーションをキープしやすい
- 高い集中力を保ったまま学べる
- 勢いがあったほうが完走しやすい
- いち早く制作現場に出られる
<卒業生の声>
『職業訓練の半年より、スクールの2ヵ月の方が密度が濃かったです。
短期間だから頑張りがきいて、一気に成長できたように思います。ものすごく充実した日々でした』
多忙な社会人にとって、短期集中+実践的カリキュラムは理にかなっているといえます。
メリット3. ライフスタイルに合わせて学ぶことができた
職業訓練は受講スタイルが「通学、平日、日中」と画一的ですが、スクールでは、オンライン・夜間・土日コースなど、柔軟に学べる環境が整っています。
「働きながら学びたい」「育児の合間に学びたい」など、さまざまなニーズに応えられます。
<卒業生の声>
『週3日パートで働いていて、仕事がある日は疲れちゃって何もしなかったです。
その代わり、休みの日に集中して頑張るようにしていました』『受講と家族の入院が重なって大変でしたがオンラインで学べたので助かりました。
痒い所に手が届くようなサポート体制に支えられました』
時間や場所にとらわれず、自分のペースで続けられるのがスクールの魅力。
学びを生活に無理なく取り入れられる点は、特に社会人や主婦層に支持されています。
WEBデザインスクールのデメリット
いざスクールに通うとなるとコスト面などの現実的な課題も見えてきます。
ダブル受講した方々が感じたデメリットや乗り越え方にも注目してみましょう。
デメリット1. 受講費用が高い
スクールは一般的に20〜60万円前後の受講費用がかかります。
職業訓練と比較したときに、初期投資の額がいちばんのネックになるかもしれません。
大きな出費を伴うため、「失敗できない」「元を取らなきゃ」というプレッシャーもあるでしょう。
<卒業生の声>
『職業訓練が無料だったので最初は高く感じました。でも、卒業して仕事が取れるようになって「これは投資だったんだ」と実感。無事ちゃんと回収できて、約1年で完全にプラスになります』
『自分でもびっくりしました。本当に稼げるんだと思って。
やっぱり入る前って稼げるのかなとか思うんですよ。初心者だし、未経験だし、何もできないし。
でも思い切ってよかった。絶対近道なんで。
時間短縮して早めに活躍できるデザイナーになった方がいいなって思ったんです』
初期費用はかかるものの「短期間で即戦力レベルになれる」となれば費用対効果は高く、未来の自分への投資が成功につながったケースも多くあります。
デメリット2.スクールによって学べる内容が異なる
スクールにはそれぞれ特色や強みがあるので、学ぶ内容に差があります。
たとえば、プログラミングスクールのWEBデザインコースなら、HTMLやCSS、JavaScriptの学習やWEBサイト構築に重きを置いたカリキュラムになっています。
一方、デザインを中心に教えるスクールでは、コーディング学習にはあまり時間をかけず、実践的なデザイン制作や添削に時間を割くカリキュラムになっています。
<卒業生の声>
『職業訓練卒業後、すでに8年間WEB関連の仕事に携わってきたのですが、苦手意識のあったPhotoshopでのデザインを学んで転職したいと思ってスクールを探しました。
伸ばしたいスキルをピンポイントで学べて、おかげでポートフォリオが映えるようになりました』
「何を学べるか」を意識してスクールを探すのが重要ですが、必要スキルの取捨選択は未経験者には難しいもの。
まずは「WEBデザイナーになって何をしたいか」を明確にイメージできるようにしておきましょう。
▼失敗しないスクール選びのポイントはこちらの記事でも詳しく解説しています。
「【リアル体験談】6人のWEBデザインスクール失敗談と教訓をまとめました」
デメリット3.カリキュラムがタイトな場合がある
転職に向けて短期間でスキルを習得するのが理想ですが、スケジュールはその分タイトになります。
タスク管理をしたり周りの協力を得たり、集中できる環境作りには工夫が必要です。
<卒業生の声>
『スケジュールが込み入ってきたらマインドマップを使って管理していました。
同じ目標に向かってる仲間の姿も励みになりました』『短期間で課題をこなすのは大変だったけど、タイパとコスパを考えればこれがベストだったと思っています』
「短期集中型」「実践的な課題が多い」「制作と添削のサイクルが速い」といったスクールは一気に成長できる反面、時間の確保やスケジュール管理が難しくなります。
ただ、これは制作現場で働くのにちょうど良いウォーミングアップともいえます。
常に納期に追われるWEB業界に入る前に、このスピード感に慣れておくといいでしょう。
職業訓練 or WEBデザインスクール|あなたに向いているのはどっち?
最後に、ここまでの内容を踏まえて「どちらがあなたに向いているのか」を整理して見ていきましょう。
「どちらが良い・悪い」ではなく、「希望や目的とマッチするかどうか」が選ぶ基準です。
職業訓練に向いている人
職業訓練は「費用をかけず、WEBデザインと併せて就職に必要な基礎を学ぶ場」です。
<こんなタイプにぴったり>
- できるだけお金をかけずにWEBスキルを学びたい
- 失業保険や給付金を受けながら学びたい
- WEBデザインの基礎を広く学んでみたい
- 平日の日中(週5日)に時間を確保できる
- 就職活動の事前準備(履歴書・面接)もしっかり対策したい
- 生活リズムを立て直したい/社会復帰の第一歩にしたい
現在離職中で、WEBデザイナーに限らず「就職」を後押ししてもらいたいなら職業訓練がしっくりくるはずです。
WEBデザインスクールに向いている人
WEBデザインスクールは「WEBデザイナーに必要な実務スキルを身につける場所」です。
<こんなタイプにぴったり>
- ほかの職種ではなくWEBデザイナーとして転職したい
- 実務レベルのスキルをしっかり身につけたい
- 現役デザイナーから実践的な指導や添削を受けたい
- 短期間で必要なスキルのみ効率的に学びたい
- オンラインや夜間・土日など、学び方に柔軟性がほしい
- コスパとタイパを重視して自己投資ができる
「デザインを仕事にしたい」という明確な目的がある人に向いています。
将来フリーランスや在宅ワークも視野に入れている人にもおすすめです。
まとめ:迷ったときは、なりたい自分をイメージできる方を選ぼう!
職業訓練とWEBデザインスクール、実際に両方を受講した方々のリアルな声をもとに、その違いや特徴を整理してきました。
2つの特徴を知り、あなたの目指すゴールと照らし合わせると「どちらで学ぶべきか」答えが見えてくるはずです。
これまでの内容を簡単に振り返っておきましょう。
【職業訓練とWEBデザインスクールのちがい】
職業訓練 | WEBデザインスクール | |
目的 | 就職支援(職種問わず) | WEBデザイナーへのキャリアチェンジ |
学習内容 | ビジネスマナーからデザインツール操作、コーディングまで広く浅く | 実務直結 |
講師 | 現役デザイナーではなく講師業に専任しているケースが多い | 現役デザイナーが指導・添削 |
学習スタイル | 平日週5日・日中通学 | 夜間・土日・オンラインなど柔軟 |
費用と期間 | 無料(3〜6ヵ月) | 20〜60万円前後(2〜6ヵ月) |
【職業訓練のまとめ】
職業訓練の魅力は「お金をかけずに就職の準備ができる」こと。
履歴書や面接練習など、社会人としての基礎を整えるのにぴったりです。
肝心のWEBデザインスキルに関しては「ツール操作やコーディングの勉強で終わってしまい、デザインが身につかなかった」という声もありました。
就職率は高く見えても、WEB業界以外の職種も含まれている点には注意が必要です。
【WEBデザインスクールのまとめ】
スクールの魅力は「短期間で実務スキルが身につく」こと。
現役デザイナーの添削や実案件に近い課題で、即戦力を目指せます。
オンラインや夜間コースも多く、働きながら・子育てしながらでも学びやすいのが特徴です。
ただし、費用がかかる点や、スクールによって内容に差がある点には注意が必要です。
それでも多くの卒業生が口をそろえて言うのは、「時間とお金を投資した分、最短で夢に近づけた」という実感でした。
【あなたが向いているのはどっち?】
職業訓練が向いている人
- 費用を抑えたい
- 平日昼に時間が取れる
- 就職することがゴール
WEBデザインスクールが向いている人
- デザインを仕事にしたい
- 現場レベルのスキルを短期間で身につけたい
- ライフスタイルに合わせて学習スタイルを選びたい
どちらを選ぶにしても最終的に大切なのは「学んだことを活かして前に進む姿勢」です。
メリットを最大限に活かし、デメリットは補おうという積極性が成功につながります。
もし迷ったときは、半年後、1年後の自分がどのように働いていたいか思い浮かべてみてください。
その未来に近づける選択が、あなたにとっての正解です。





