WEBデザイナーはどのようなキャリアプランがあるのか、自分に合ったものは何か、そう悩んでいませんか?
WEBデザイナーは、
- バナーやホームページ、LPなど制作物のバリエーションが多い
- コーディングやマーケティング、動画編集などさまざまな業種にも活かせる仕事
- 会社員と副業・フリーランスで働き方も自由
上記のような理由から、どのようなキャリアプランがあるのか複雑に見えがちです。
そこで、WEBデザイナーのキャリアプランについてスキル面と働き方の2軸で整理し解説します。
デザインを極める、他のスキルも身につけるにしても会社員なのか副業・フリーランスなのかで働き方や収入は異なります。
今回はあなたの理想にあうキャリアプランが見つかるよう仕事内容や収入、年次の項目で、会社員か個人か、デザインを極めるか他スキルも身につけるかの4パターンを解説しています。
ぜひこれからWEBデザイナーを目指す際の参考にしてください。
目次
WEBデザイナーのキャリアは2軸で考える
WEBデザイナーのキャリアは、次の2軸で考えることができます。
- デザインを極めるか他の分野に広げるか
- 組織に属すか個人で働くか
この章では、それぞれの軸で考えたときの職種や収入などを解説していきます。
デザインを極めるか他のスキルも習得するか
スキル面では次の2つのキャリアが考えられます。
- デザインスキルを極める
- 他のスキルを身につけて仕事の幅を広げる
WEBデザイナーの仕事内容は広告バナーやYouTubeのサムネイル、ホームページ、ランディングページなど、WEB上のあらゆるデザインをすることです。
デザインスキルを極めていく道では、制作できる幅を広げること、扱うジャンルやテーマの種類を増やしていくことがキャリアプランとしてあります。
最初はバナーなど比較的難易度の低い、あるいは定単価の案件からのスタートになりますが、スキルを極めていくと作品のクオリティが上がり、高単価の案件や、ホームページやランディングページなど受注できる案件の幅が広がります。
そこからさらにデザイナーとして経験を積むことで、UIデザイナーやUXデザイナーなどデザイナーとしてのキャリアを広げていくことも可能です。
また、WEBデザイナーから、
- WEBディレクター
- フロントエンジニア
- WEBライター
など別の業種にキャリアチェンジする道もあります。
デザイナーから考えられるキャリア、業種については後ほどご紹介します。
組織で働くか個人で働くか
2つ目の軸が、会社員として企業で働くのか、副業やフリーランスなど個人で自由に働くのかです。
会社員として働くのか個人で働くのかで収入も異なりますし、同じ年次でも取り扱う業務範囲が異なります。
それぞれを比較すると表の通りになります。
年収は相場を記載しています。
会社員 | 個人 | |
仕事内容 | バナー制作 LP制作 企業のWEBサイトデザイン UI、UXデザイン レスポンシブデザイン プロダクトデザイン | バナー制作 LP制作 WEBサイトデザイン UI、UXデザイン レスポンシブデザイン プロダクトデザイン |
平均年収 | 300~600万円 | 300~600万円 |
収入が安定 | 〇 | × |
福利厚生 | 〇 | × |
キャリア支援 | 〇 | △ |
働き方の自由度 | × | 〇 |
経験の幅 | × | 〇 |
社会保障 | 〇 | △ |
仕事の自由度 | △ | 〇 |
会社員と個人とで大きく仕事内容は変わりませんが、選択肢の広さは個人の方が大きいです。
また、個人の場合は案件によって大きく収入が異なるため、初年度は300万円に満たないケースもありますし、ある程度実績や経験を積んでくると600万円以上を目指すことも可能です。
上の表では会社員か個人かで大枠をまとめましたが、細かくみていくと会社員の中でも事業会社と制作会社、副業とフリーランスで請け負う仕事内容や年収も異なります。
それぞれの違いをまとめると下の表の通りです。
フリーランスの年収は相場を記載しています。
事業会社
制作会社
仕事内容
自社でサービスを運営して提供する
他企業の依頼を受託し制作物を納品する
平均年収
361万円
444万円
メリット
自社内で一貫して行うので経験が積みやすい
同じサービスに長く携われる
汎用的なスキルや経験を積みやすい
さまざまな分野に携わることができる
経験の積みやすさ
〇
△
同じ商材に関われる
〇
△
デザインに特化
△
〇
残業の多さ
△
〇
引用:求人ボックス
副業
フリーランス
特徴
本業にプラスして、スキマ時間や短時間で作業
個人事業主として独立した状態で自身のスキルや専門性を活かして業務委託の形で契約して報酬を得る
平均年収
120〜130万円
300〜600万円
収入の上がりやすさ
〇
△
スキルアップのしやすさ
〇
△
働き方の自由度
×
〇
案件獲得の難易度
△
〇
大事なのは、自分の理想の収入や仕事内容を叶えられる雇用形態を選ぶことです。
1つの分野を極めるなら事業会社、さまざまな分野に関わりたいなら制作会社のように、先ほどお伝えした業務範囲との掛け算で、あなたの理想の働き方を実現する道は決まります。
キャリアプランの考え方や、2軸で考えた時の具体的な働き方などをこの後ご紹介するのでそちらも参考にしてみてください。
WEBデザイナーのキャリアプラン選び方は2段階ある
WEBデザイナーのキャリアプランは次の2段階に分けて考えられます。
- デザインの道を極める
- 他のスキルも身につけてWEBデザインを活かす
それぞれについて解説します。
WEBデザイナーとして一人前になる
まずはWEBデザイナーとして、さまざまな依頼に対応できるようになるのがゴールです。
WEBデザイナーはバナー、ホームページ、LPなどさまざまな案件があります。
WEBデザイナーとして一人前になる、言い換えるとデザインスキルのみで生活していける、人によっては求める収入を得られるようになることを目指しましょう。
そのためには、先程あげたようなさまざまな案件に対応できるようになる、あるいはデザインスキルを磨いて作品のクオリティを上げ続けることが必要になります。
実際、クオリティの高いデザインができる人が市場にはそれほど多くはなく、そこまでデザインを極めれば生活に困ることはほぼありませんし、WEBデザイナーとして需要は高いです。
特に、LPは1本10〜30万円の案件もあるので、副業やフリーランスであれば月1〜2本で生活に必要な収入は得られるでしょう。
デザインを極めた後は、
- 会社員で働くか個人で働くか
- デザイン1本で勝負するか他のスキルも身につけて仕事の幅を広げるか
どの道を選ぶかは自由です。
デザインを極めるのであればWEBデザインスキルを磨き続ける道もありますし、そこからUIデザイナー、UXデザイナーなどデザインの中で幅を広げる道もあります。
UX/UIデザイナーとは、簡単にいうとユーザーが使いやすいと感じる設計にする知識とスキルを持ったデザイナーのこと。
UIデザイナー、UXデザイナーにならなくとも、それらの知識をデザインに取り入れるだけでデザインのクオリティが上がります。
WEBデザイナーとして一通り対応できるようになったら、UIやUXの知識を取り入れてワンランク上のデザイナーを目指す選択肢もあります。
WEBデザイン以外のスキルを身につける
WEBデザイナーの道を極めた後は、他のスキルを身につけて、さらに仕事の幅を広げたり収入を上げるキャリアプランもあります。
さまざまな案件に対応できるようになれば需要は高いとお伝えしましたが、複数のスキルを持っておくことで提供できる制作物のバリエーションが増えるので受注できる案件の幅も広がります。
WEBデザインと相性が良いWEBスキルは、
- コーディング
- WEBマーケティング
- 動画編集
- WEBライティング
などがあります。
WEBデザイナーとして働くのであればコーディングは必須ではありませんが、全く知らないのか知識を持っている、実際にできるのかでは納品物の仕上がりに少なからず影響します。
WEBマーケティングでは、広告運用とWEBデザインは切っても切り離せない関係なので、自分でバナーやLPを作れればPDCAを回しやすくなりますし、広告視点とデザイン視点でより反応の良い納品物を作れるので自分で広告運用もできますし、広告運用者からも重宝されるはずです。
このように、複数のスキルを掛け合わせることでより市場価値の高いWEBデザイナーも目指せます。
もちろん、WEBデザイン単体でも仕事の幅はさまざまです。
例えば、同じバナーやホームページでも、カフェやスクール、おもちゃなど業界や業種の数だけ案件はありますし、LPであれば商材やページの目的によってデザインは180度異なります。
そのため、デザインを極めるか他のスキルも身につけるかは自由です。
会社員×WEBデザインのキャリアプラン
ここからは、具体的なパターンごとに実現できるキャリアプランなどを解説していきます。
まずは、組織の中でデザイナーとして極めるパターンです。
企業で働きながらキャリアアップをしていく場合、業務内容や年次に応じて4段階に分かれています。
それぞれを比較すると表の通りです。
年収は企業によって大きく異なるため、相場を記載しています。
年次
1年目
2年目
3年目
4年目〜
仕事内容
バナー作成、基本的なコーディング
WEBサイト全体のデザイン、UIの設計、レスポンシブデザイン
中規模プロジェクトのリード、顧客との折衝、チームの管理
デザイン全般の方向性と品質管理、新規クリエイティブ戦略の立案
スキル
PhotoshopやIllustrator、コーディングの知識
UX/UIの知識
プロジェクト管理、リーダーシップ
クリエイティブ思考能力、ブランド戦略、マーケティング知識
収入
200〜300万円
350〜400万円
400〜450万円
450〜500万円
引用:求人ボックス
コーディングスキルやマーケティングスキルなど、新しいスキルを身につける必要はないもののチームをまとめたりクライアントとの交渉をしたりするなどコミュニケーション力やマネジメントスキルが必要になります。
企業や自身が選ぶキャリアによって将来像は変わってきますが、10年目にもなると一般的には中堅から上級レベルのポジションにいるため、年収は500〜800万円を目指せます。
大手企業や技術が求められる分野の場合は、それ以上も可能です。
職種としてはプレーヤーの道もありますが、プロジェクトリーダーなどマネジメントを行ったり、UI/UXデザインやユーザーリサーチなど別スキルを求められるようになります。
副業・フリーランス×WEBデザインのキャリアプラン
副業、フリーランスとして働きながらキャリアアップを目指す場合、実績を積んだり単価の交渉スキルを磨いたりすることで、より高単価の案件を受注する道があります。
年次ごとに受注できる案件の種類や平均月収の相場をまとめると表の通りになります。
なお、月収は相場を記載しています。
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
案件内容 | バナー制作 | バナー制作、レスポンシブデザイン、LP制作 | 中規模のWEBサイトの設計、LP制作 |
副業月収 | 〜数万円 | 〜5万円 | 5万円 |
フリーランスの月収 | 〜5万円 | 5〜10万円 | 10〜40万円 |
副業とフリーランスで大きく異なるのは、デザイン業務に充てる時間の違いです。
時間を確保できればその分だけ多く収入を得られます。
実績が少ないうちは受注できる案件も多くはなく、ライバルも多いため案件受注に苦しむかもしれません。
ですが、ある程度実績を積むことで受注しやすくなり、案件の幅、収入の上限も広がります。
フリーランスの収入も実績やそれまでの経歴によるため将来像は人によって異なりますが、10年目程度になると、高品質な制作物を納品できるため、その分高額な収入を得られます。
年収としては500万円以上、場合によっては1,000万円以上も目指せます。
始めたては小規模の案件が多いですが、10年目ともなるとスタートアップから大企業まで幅広いクライアントの案件を受注できます。
デザインを極めるだけでも高収入は目指せますが、この後ご紹介する他スキルとの掛け合わせでさらに市場価値を高められればその分だけ受注できる案件の幅も広がり高収入を目指せます。
会社員×WEBデザインからキャリアの広げ方
次にWEBデザイナー以外の道へのキャリアアップをする事例をご紹介します。
WEBデザインはさまざまな業種へ活かすことができますが、その中でも代表的な職種をご紹介します。
UX/UIデザイナー
フロントエンドエンジニア
デジタルマーケティングスペシャリスト
プロジェクトマネージャー
仕事内容
ユーザーにとって使い心地の良いシステム・ビジュアルを通じて顧客体験をデザインする
Webアプリケーションのホーム画面や、ログイン画面などユーザーが目にする部分の構築
サイトへの集客やサイトでの購入
リピーターづくりの設計
デザインプロジェクト全体のスケジュール管理
リソース配分
顧客対応
必要な知識・スキル
SEOやマーケティングの知識
分析能力
HTML,CSS,JavaScriptの知識
UI/UXについての理解
SEOやSEM
データ分析
SNSマーケティングの知識
コミュニケーション能力
リーダーシップ
問題解決能力
平均年収
598万円
550万円
457万円
645万円
デザイナーとしてのキャリアプランと重複する内容もありますが、こちらの場合はデザインよりも別の職種としての仕事内容の比重が大きくなります。
その分、専門的なスキルや知識が求められます。
最初はフロントエンドエンジニアのみ、のように別スキルにシフトするかもしれませんが、年次を重ねることでWEBデザインをやっていたからこそのキャリアも見えてきます。
例えば10年目ともなると、プロジェクトのリーダーやUXデザイナーとしてプロジェクト全体に関わるようになると、700〜1,000万円の収入も目指せます。
これは一例ですが、WEBデザインと他のスキルとの掛け合わせで担当できる業務の選択肢が増えるためデザインの道を極めたら別スキルにもチャレンジしてみましょう。
副業・フリーランス×WEBデザインからキャリアの広げ方
最後に、副業・フリーランスで働きながらキャリアを広げている場合についてまとめると表の通りです。
収入は各職種の平均収入を記載しています。
UX/UIデザイナー
フロントエンドエンジニア
フルスタックエンジニア
デジタルマーケティングスペシャリスト
仕事内容
ユーザーにとって使い心地の良いシステム・ビジュアルを通じて顧客体験をデザインする
Webアプリケーションのホーム画面構築
ログイン画面などユーザーが目にする部分の構築
WEBデザインからプログラミングまで1人で制作
サイトへの集客やサイトでの購入
リピーターづくりの設計
スキル
SEOやマーケティングの知識
分析能力
HTML,CSS,JavaScriptの知識
UI/UXについての理解
プログラミング言語の知識やスキル
OS・ミドルウェアに関するスキル
クラウドサービスの知識・スキル
SEOやSEM
データ分析
SNSマーケティングの知識
収入
598万円
550万円
500万円(相場)
457万円
コンテンツクリエイター
Eコマーススペシャリスト
グラフィックデザイナー
WEBライター
仕事内容
Webコンテンツに必要な動画や画像
テキストなどの作成・公開
Eコマースプラットフォーム上でWEBサイトのデザインと運用
企業ブランディングや広告デザイン
製品イラストの制作
WEB上に公開される記事の執筆
必要なスキル・知識
ユーザーの目を惹く構成案の作成能力や文章作成能力
KWボリュームや流入KWを把握するためのツール活用能力
営業力
マーケティングスキル
EC関連のツール活用能力
WEBマーケティングスキル
コミュニケーションスキル
ソフトウェアスキル
文章作成のスキル
リサーチ力
コミュニケーションスキル
収入
400~600万円(全般)
538万円
449万
職種としては企業で勤める場合と似たものもありますが、大きく異なるのは自由度の高さと収入の上限がないことです。
企業の場合はあらかじめ収入が決まっていますが、副業・フリーランスは案件によって報酬が異なるため同じ作業でも企業の場合より多く報酬をもらえるケースもあります。
さらに、副業・フリーランスの場合は会社員以上に幅広いキャリアの選択肢があります。
マーケティングスキルと掛け合わせることでデザインだけでなくよりクライアントのニーズに応えられるようになります。
ライティングスキルがあればコンテンツを作るだけでなくWEBサイトや広告バナーまで対応できるため、より需要は高いです。
スキルや案件によるものの、10年目ともなると年収500〜1,000万円を目指せるようになります。
まとめ
今回はWEBデザイナーのキャリアプランは会社員か個人か、デザインを極めるか他スキルを身につけるかの2軸で考えること、それぞれの年収や働き方を解説しました。
途中でお伝えした通り、キャリアプランを考える上でのポイントは「まずWEBデザイナーとしての道を極める」こと、そこから他スキルとの掛け合わせで市場価値を高めることです。
WEBデザインだけだとライバルが増えたり将来的にAIが発達したりすることでWEBデザイナーとして食べていけなくなるリスクも正直あります。
ですが、複数のスキルがあれば生み出せるアウトプットの選択肢が増えて、あなたの市場価値は高まります。
これからWEBデザイナーを目指す方は、まずこちらの記事を参考にデザインを学ぶところから始めてみましょう。