WEB制作フリーランスは稼げます。年収から1日の流れまで徹底解説

この記事は、フリーランスに興味がある方に向けて書きました。

フリーランスのお仕事はこの数年とても人気ですが、その中でも特に人気が高いのがWEB系の仕事。

とはいえ、WEB系の仕事は普段関わる機会が少ない分、わからないことも多く、「実際どんな仕事をしてるんだろう?」と疑問に思う人も多いと思います。

そこで今回は、WEB系の中でも特に「WEB制作」のお仕事にフォーカスを当てて以下の内容をご紹介していきます。

  • WEB制作の具体的な仕事内容
  • 年収相場
  • WEB制作フリーランスの目指し方

WEB制作のフリーランスは決して楽なお仕事ではないですが、好きな場所で好きな時間に働くことができます。この記事が、みなさんのこれからのキャリアを考えるうえで、お役に立てたら嬉しいです。

そもそもWEB制作とは?WEBデザインとの違いは?

そもそも、WEB制作とWEBデザインのお仕事はどう違うのでしょうか?

フリーランスWEBデザイナーの仕事内容をご紹介する前に、WEBデザインとの違いを明確にしておきましょう。

さっそく結論をお伝えすると、WEB制作とWEBデザイナーの違いは以下の通りです。

WEBデザイン

バナーやサムネイル、ホームページ、LPなどを制作/デザインする仕事
※フリーランスの場合、名刺やパンフレットなど紙媒体のデザインを制作することもあります。

WEB制作

WEBデザインの仕事、コーディングの仕事、WEBライティングの仕事、およびそれらを管理するディレクターの仕事を一括りにした呼び方

ただし、一般的にWEB制作≒WEBデザイナーと考えられることも多いですし、WEBデザインだけをやっている人が「WEB制作フリーランスです」と名乗っていることもあります。

この呼び方に明確な定義はなく、個人が呼びたい方、呼びやすい方で呼んだり定義したりして大丈夫ですよ。

そしてこの記事では、一般的に「WEB制作」として捉えられているWEBデザインのお仕事をメインにご紹介していきますね。

WEB制作フリーランスの具体的な仕事内容

それではさっそく、「WEB制作フリーランス」の仕事内容をご紹介していきます。

WEB制作仕事を一言で表すと「ホームページを作る仕事」。企業や個人から依頼を受けてホームページを制作し、納品するのがWEB制作のお仕事です。

それをあくまで個人事業主として、個人て請け負って制作するのがWEB制作フリーランスです。

WEB制作フリーランスの仕事内容は、人によって異なります。
ここでは仕事の順番ごとにステップ1~ステップ5に分けていますが、1~5すべてをやる人もいればステップ3~ステップ5だけをする人、ステップ4だけをする人など、様々です。

自分にはどの仕事が合っているかも考えながら読んでみてくださいね。

ステップ1:営業、顧客の獲得

フリーランスの仕事はまず営業から。自分で仕事をとっていく必要があります。

ただし、一般的にイメージされるような営業(電話をかけたり、名刺を配ったり…)は必ずしも必要ではありません。

クラウドソーシングサービスというサイト(ココナラなど)に自分の作った作品とともに「こんなホームページを〇〇円で作ります!」と掲載する方法もあります。

WEB制作者を探している企業や個人の方がクラウドソーシングサイトを見て、依頼が届くことは珍しくありません。

また、売れっ子フリーランスはリピートのお客さんが多く、最近は営業は全くしていないという方もたくさんいらっしゃいます。

ステップ2:ヒアリング、要件定義

お仕事の依頼をゲットしたら、次はクライアントがどんなホームページを求めているのかヒアリングしていきます。「要件定義」と呼ばれることもあります。

WEB制作は「自分が作りたいものを創造すること」ではなく、「お客様が求めているものを、イメージを擦り合わせながら制作すること」です。

ここで少し厄介なのは、「お客様はWEB制作やデザインに詳しくない」場合が多いということです。イメージもいまいち決まっておらず、「良い感じで」とだけ言われて作ってみたら「もっと〇〇な感じで」と修正依頼を受けることも……。

お客様の持っているなんとなくの完成イメージを擦り合わせていく作業が大切になってきます。

ヒアリングにかかる期間
1週間程度

ステップ3:WEBデザイン制作

ヒアリング、イメージの擦り合わせが終わったら、WEB制作に入っていきます。

最初に、ホームページの制作がメインだとご紹介しましたが、LP(ランディングページ)やバナー、リッチメニューやYouTubeのサムネイルなどを作る場合もあります。

また、ホームページのデザイン制作の場合は1ヶ月程度かかることも。

各制作物にかかる期間

ホームページ制作

2週間〜1ヶ月程度

バナー/サムネイル制作

1~5時間程度

LP制作

1ヶ月程度

ステップ4:コーディング

ホームページやLPのデザインが完成したら、コーディングの作業に入ります。コーディングとは、WEBサイトを構成している設計図のようなもので、プログラミングの一種です。

数字が1つズレたり、大文字と小文字が異なるだけでサイト全体が崩れてしまうという、とても細かい作業の連続ですが、自分の操作1つでWEBサイトの画面が大きく変わるのは面白く、やりがいのある仕事でもあります。

得意ではないために、コーディングだけ外注しているWEB制作者、WEBデザイナーも多くいますし、反対にデザインが得意ではないためコーディングをメインに制作のサポートをしているフリーランスもたくさんいますよ。

また、最近ではノーコード(コードを使わない方法)でWEBサイトやLPを制作するツールも出てきました。

ノーコードツールを使って良いかどうか、クライアントに確認は必要ですが、便利なので多くのフリーランスWEB制作者が活用していますよ。

※バナーやサムネイルの場合は、このコーディングの作業を挟みません。

コーディングにかかる期間

2週間〜1ヶ月程度

ステップ5:クライアントチェック→納品

最後に、完成したWEBサイトをクライアントに確認してもらいましょう!

修正があれば修正に対応し、納品します。

また、何度も修正のやり取りが発生しないよう、クライアントに送る前に自分でチェックすること(セルフチェック)も大事です。

セルフチェックで確認すべき項目も簡単に挙げておきますのでぜひ参考にされてくださいね。

  • 誤字・機種依存文字・ダミーテキストは残っていない
  • 文字化けなどは起きていない
  • 表記は統一されている(半角・全角・日付や名前は要注意)
  • ダミー画像・未購入画像などは残っていない
  • 画像圧縮済み(ファイルサイズを小さくしている)
  • 画面の遷移は問題なく起こる(特にサンクスページ)
  • メールがちゃんと届く(ユーザー側・管理者側、どちらも)
  • スマホでの入力欄はfont-sizeが16px(それ以下だと入力時に拡大されてしまいます)
  • 横スクロールは発生していない
  • リンク切れを起こしていない
  • SNSやECサイトなど、外部リンクは正しい
  • 404ページを作成済
  • 対象ブラウザで表示崩れが起きていない (「Google Chrome」「Safari」「Firefox」「Internet Explorer(IE)」はマスト)
  • スマホでiframe要素が見切れていないか

※チェック項目はあくまで一例です。案件によって確認するポイントは異なります。

【実態を大公開】リアルなWEB制作フリーランスの1日

ここでは、実際にWEB制作フリーランスとして働かれる方の1日をご紹介します。

※ここでは全てフリーランス”WEBデザイナー”の1日をご紹介します。

運動から始まる健康志向な1日

フリーランスや在宅のお仕事で気になるのが運動不足。
フリーランスWEBデザイナーのタムさんは通勤がない代わりに朝の9時まで運動をしてから1日のお仕事をスタートされているそうです。

6時-7時

朝食・身支度

7時-9時

運動

9時-12時30分

仕事

12時30分-13時30分

昼食

13時30分-19時

仕事

19時-21時

夕食・お風呂

21時-23時30分

(忙しい時は)仕事

2児を育てる!ママWEBデザイナーの1日

子育てと仕事の両立はすごく大変…ですが、フリーランスなら両立もしやすい!
フリーランスとして在宅でWEB制作を行いながら2人の子どもを育てているここちゃんの1日をご紹介します。

7時-8時

朝食

8時-10時30分

長男の身支度・見送り、家事

10時30分-12時

次男の様子を見ながら仕事

12時-13時

昼食

13時-17時

のんびり仕事

次男と遊ぶことも

17時-20時

準備&夕食(長男帰宅)

20時-22時

お風呂、寝かしつけ

22時-24時

気力があれば仕事

(子どもと一緒に寝落ちすることも)

スキマ時間を駆使!在宅ママWEBデザイナーの1日

もう1人、ママさんフリーランスの1日をご紹介します。
夕方の16時30分以降は家族との時間にしつつ、22時からまた仕事を行うことができるあたりがフリーランスの良さですね。

また、仕事量は自由に調整できるのがフリーランスなので、夜間に仕事はしたくない、という時期は調整したり、週末にまとめて行うこともできますよ。

6時-7時30分

メールやSNSチェック

7時半-10時

子どもの身支度、朝食、家事、見送り

10時-12時

仕事、ミーティング

12時-13時

昼食

13時-16時30分

仕事、デザイン制作

16時30分-19時30分

子どものお迎え、買い物、夕食

19時30分-22時

お風呂、寝かしつけ、自由時間

22時-24時

たまにミーティング

WEB制作フリーランスってどのくらい稼げるの?

新しい仕事、働き方を探すときに気になるのは、仕事内容だけでなく「どのくらい稼げるのか」だと思います。

前提として、フリーランスの年収は不安定かつ人によって大きく異なります。

子育てとフリーランスとしてのお仕事を両立させていて、月に10万円程度稼いでいる方もいれば、寝る時間も惜しんで制作に当たり、月に100万円以上稼いでいる方もいるからです。

その前提を踏まえたうえで、WEB制作フリーランスの年収相場をご確認ください。

WEB制作単体の相場

先ほど、WEB制作にもさまざまなお仕事があり、やる仕事内容も大きく異なるとお伝えしました。

WEBデザインだけをやるのか、コーディングだけをやるのか、両方やるのかでも、年収は異なってきます。

ここでは参考までに、関連するいくつかの年収をご紹介していきますね。

職種名

平均年収

WEBデザイナー

360万円

コーダー

410万円

WEBディレクター

500万円

3職種平均

423万円

※勤務地、勤務条件、年代、勤続年収によっても異なります

WEB制作フリーランスの年収

WEB制作フリーランスの年収相場も、やはり業務内容によって大きく異なります。
また、例えば同じ「WEBデザイナー」(WEBサイトのデザイン面を担当する仕事)でも、月に100万円稼ぐ人もいれば月に10万円しか稼がない人もいます。

そのため一概にお伝えすることはできないのですが、当社の調査によると、フリーランスWEBデザイナーの平均年収は423万円でした。

また、全体の約半分(45%)が月収30万、つまり年収360万未満という結果に。
ただし、月収100万円以上の方がおよそ10%いるのも事実。

稼ぎたい額、働きたい時間数に応じて仕事を選べるのがフリーランスのメリットです。
このグラフから、WEB制作で年収1000万円以上も可能だということをイメージしていただければと思います。

WEB制作フリーランスってコーディングもできないとダメ?

記事の前半で、WEB制作フリーランスの仕事内容の1つとして「コーディング」があることをご紹介しました。

そこでは、コーディングを外注することもできるとご紹介しましたが、WEB制作にフリーランスはどのくらい必要なのでしょうか?

ここでは、コーディングに苦手意識のある方に向けて、WEB制作フリーランスとコーディングの関係をご紹介していきます。

コーディングは必須ではないが、できた方がラク

WEB制作フリーランスにとって、コーディングは必須ではありません。

実際に、当メディアを運営している日本デザインスクールの卒業生の中にも、コーディングはほとんどできないがWEB制作をやっているフリーランスの方も多数いらっしゃいます。

しかし、WEB制作を本格的にやっていくなら、コーディングもある程度できた方が便利なのも事実。

そのあたりは、「あなた自身がどちらが得意か」を基準に考えるのがおすすめです。

コードを見たりいじったりするのが得意なら、身につけておいて損はありません。
コードが好きになれないなら、ノーコードツールを使ったり外注したりしつつ、デザインを上達させた方が収入に繋がりやすいです。

バナーやサムネイルなどを極めるのもあり

コーディングはどうしても苦手…という方には、バナーやサムネイルなどの制作を極めるのをおすすめしています。

WEB制作にはどうしてもコーディングの知識が必要になってきます。というのも、コーディングを外注するとしても、コーディングの知識ゼロではNG。

あくまで基礎知識はあるうえで、コーディングしやすいデザインを作る必要がありますし、外注するときにも、コーディングのことがわかっていないと依頼ができません。

ゼロからコードを書くスキルは不要ですが、コードに関する基礎知識は必要なのです。
(先ほどご紹介した、コーディングはできないが稼いでいるフリーランスの方も、基礎知識はもったうえで活動されています)

WEB制作(ホームページのデザイン)よりも単価は下がりますが、制作時間は短いですしコーディング関係は一切不要。基礎知識も使いません。
バナー等の制作だけで月に20万〜40万稼ぐフリーランスWEBデザイナーの方もいるので、おすすめですよ。

WEB制作フリーランスが仕事をとるうえで大切な3つのこと

最後に、これからWEB制作フリーランスを目指すであろうみなさんに、稼いでいくために大事なことを3つご紹介します。

WEB制作のフリーランスが仕事を取る方法としては「クラウドソーシングサイト」「交流会」「エージェント」など色々ありますが、どの方法でも大事なことは共通しています。

ぜひこの3つの項目も意識して、「稼げるWEB制作フリーランス」を目指していってくださいね!

ポートフォリオは妥協せず磨き続けること

WEB制作フリーランスが稼ぐために最も大切なのは、ポートフォリオ。

ポートフォリオとはあなたが作った作品を掲載した作品集のことで、クライアントはあなたに依頼をするかどうかはポートフォリオの作品レベルを見て判断します。

自分的に最も良くできた作品を貼りましょう。

大事なのは作品のクオリティなので、ポートフォリオの形式に決まりはありません。
このサイトを運営している日本デザインスクールでは「foriio」というポートフォリオサイトの使用をおすすめしていますが、InstagramなどのSNSにまとめる人もいれば、PDFにまとめている人もいます。

ポートフォリオサイト(foriio)に作品をまとめるとこのようになりますよ。

参考サイト

また、新しく上手な作品ができた場合は作品をアップデートしたり入れ替えたりするのも忘れずに行ってくださいね。

人として信頼される対応も意識すること

作品のクオリティが最も大切だとお伝えしましたが、人として信頼される対応を意識することも大切です。

たとえば、以下のような項目です。

  • 締め切りは必ず守る、できれば余裕を持って提出する
  • レスはなるべく早くする
  • 誤字脱字、ケアレスミスがないか必ず確認する
  • 気になるところがあれば提案ベースで伝える
  • 言葉遣いは丁寧に、正しい敬語を使う

クライアントも人間なので、信頼できる人に依頼し続けたいと思っています。
ただ作品を納品すればOK、というわけではありません。

また、トラブルも極力避け、多少嫌な対応にあっても平穏な対応を心がけましょう!
どのクライアントとどのクライアントが繋がっているかわからないからです。

A社と納期に関してトラブルを起こしてしまった結果、A社と仲が良いB社、C社、D社からの案件もストップしてしまった、なんて事例もありえます。
(たとえあなたに非がなくても、です。)

WEB制作に限らず、フリーランスは信頼が命です。
1つ1つの案件を丁寧にこなし、信頼を獲得していきましょう。

稼ぐために継続案件を狙うこと

最後に、稼いでいくためのコツをご紹介します。

月に20万円以上稼いでいるようなWEB制作フリーランスのほとんどが継続案件をゲットしています。そのため、安定して稼いでいくために「継続案件」を狙いましょう。

継続案件は最初からどこかに載っているようなものではありません。
単発の案件を丁寧にこなすことで「継続でお願いしたい」とお願いされるもの。

では、どうすれば継続案件がもらえるのか?ですが、答えは単純明快。
先程ご紹介した「作品のクオリティ」&「信頼感」だけです。

高い作品のクオリティと人としての信頼感を満たしていれば、ほぼ確実に継続案件はもらえます。

そのため、駆け出しのうちは1つ1つの案件ごとに振り返り、作品のクオリティはどうだったのか?信頼感は100%満たせたか?の振り返りを行うようにしましょう。

継続案件がもらえなかった場合は、どちらかが足りなかったということです。
案件ごとに振り返り、その都度改善していけば、必ず継続案件の止まらない「売れっ子フリーランス」になれますよ。

まとめ

今回は、いま人気のフリーランスという働き方の中でも特に注目度の高い「WEB制作フリーランス」についてご紹介しました。

WEB制作のお仕事は幅広く、マルチにスキルを学ぶタイプの方や1つのスキルを極める方などいろんなタイプの方がいらっしゃいますが、安定して稼いでいくことを考えると、1つのスキル(例えばデザイン制作のスキル)を極める方がおすすめです。

また、グラフでもお見せした通り、WEB制作のおよそ10%が月収100万円を超えています。フリーランスは働く量も時間も自由なので、人によって稼ぎは大きく異なりますが、月収100万も夢ではありません。

会社員という縛られた働き方から解放されたい方、子育てや趣味と仕事を両立させたい方はぜひWEB制作フリーランスを目指してみてくださいね!